市内の保育現場の労働実態を探るため、専修大学(東三田)の学生らと市民団体が保育士らを対象に共同調査を実施。今月14日に集計結果を発表した。約9割がやりがいを感じている一方、勤続7年以下の回答者が7割を超えるなど、同一の勤務先で働き続けることへの課題も見られた。
この調査は保育の質向上に向けた議論、提言の素材を提供しようと、同大経済学部の兵頭淳史ゼミナールと、弁護士や労働組合員らによる「川崎市保育問題交流会」が実施。昨年8月から9月、市内全ての認可保育所316施設に選択・記述式アンケート用紙を10部ずつ郵送し、82施設の保育士602人をはじめ栄養士、看護師、事務職員ら772人から回答を得た。
現在の勤務先に関する設問では、勤続年数は「0〜3年」約46%と「4〜7年」約25%で7割に達した。勤続意欲は「定年まで」約14%、「できる限り」約59%だった。仕事のやりがいは「とても感じる」約36%、「まあまあ感じる」約56%で、合わせて9割を超えた。同交流会メンバーの一人は「保育職を続ける意欲が高く、現在の職場で働き続けたい職員は多いが、労働条件が合わないことなどが課題の一つ」と指摘する。
昨年、副ゼミ長を務めた伊藤大晃(ひろあき)さん(4年)は「保育の仕事を続けたいのに続けられない人が多い結果が印象的だった」と振り返る。
市庁舎で会見が行われた同日、報告書は市こども未来局に提出された。交流会代表で弁護士の川岸卓哉さんは「現場の声をしっかり書いてもらった。保育の労働条件改革に役立ててもらいたい」と期待を込める。集計結果を踏まえ、同会は報告会と交流会を7月17日、エポックなかはら(中原区)で開催する。詳細は川岸代表(メールkawagishi@kawagou.org)。
調査の集計結果など詳細情報は、同ゼミのウェブサイトで公開中。
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