多摩防犯協会で15年にわたり会長を務めた関口鐘雪さん(87)が今月14日、同協会の総会をもって退任した。「肩の荷が下りてほっとしている。皆さんが私を支えてくれた、本当にありがたい」と胸中を明かす。
1962年、稲田防犯協力会として発足した多摩防犯協会。関口さんは86年に参加し、4年後には会計を担当。2003年に3代目の会長に就任した。着任時は区内の犯罪件数がピークだった時期。啓発運動やパトロールに尽力するほか、身近なところから防犯に関心を持ってもらおうと柔剣道やゲートボール、少年サッカーの大会を開いてきた。12年の50周年式典も思い出深いという。
16年からは自らがモデルとなった振り込め詐欺啓発のポスターが区内各地に掲示された。引退を公言したのは昨夏。「町会など区内の団体でどこに行っても一番年上。世の中が変わっていく中で、いつまでもやっていちゃいけない」と関口さん。
関口さんと同時に、事務局員を27年間務めた前川八重子さん(73)も退職。前川さんは2代目の会長の誘いで91年に事務局員となり、年間行事から周年式典まで、裏方として一人で同協会を支えてきた。前川さんは「関口会長がいる間は頑張らないと、と思って。ずっと会長に頼りっぱなしだった」と感謝をにじませる。
多摩警察署の佐宗茂署長は「防犯協会の活動はまちの人たちが支えている。関口さんは扇の要としてしっかり活動されてきた」と話していた。
新会長は末吉さん
関口さんの後任を務めるのは、前副会長の末吉一夫さん(68)。末吉さんは「関口会長が築いてきた活動を継承して、会員や関係者と一緒に犯罪をなくす活動を続けていく」と決意を語る。
総会では末吉さんから関口さんと前川さんに、それぞれ感謝状が手渡された=写真下。関口さんへは、神奈川県警本部長からの感謝状も贈られた。
関口さんは「一体となって地域に浸透できる活動をしてもらいたい」と新体制に期待を込めた。
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