保護者の事情等により自宅で生活できない子どもを、他の家庭が迎え入れて養育する「里親制度」。川崎市によると、家庭で暮らせない子どもは市内に約350人おり、その約8割が施設で生活しているという。
里親には0歳〜18歳の子どもを一定期間養育する「養育里親」や、養子縁組を行い養親になる「養子縁組里親」などがある。こうした子どもたちが家庭と同様の環境で成長できるよう、市は里親制度を推進している。
衣食住満たす
10月20日には、養育里親2人に話を聞く説明会が川崎愛児園(宮前区)で開かれた=写真。主催は市と、市から里親支援事業を受託するNPO法人キーアセット。
幼いころに満足に食事を与えられず、里親家庭に来た当初は食事をかきこんでいた子が、少しずつ食事を楽しんで食べてくれるようになったエピソードなどが語られた。
養育里親として20年以上、19人を育ててきた高橋さんは「まずは衣食住を満たしてあげることが大事。『ありがとう』と言われるのに1年かかったこともある」と振り返り、「同じ家で暮らせば『縁』が生まれる。独立してからも社会で頑張っている子どもたちの話を聞くのが何よりの楽しみ」と手応えを語った。
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