日本民家園を舞台に活動する市民団体「民具製作技術保存会」、略称「民技会」会員で、わら細工師の中島安啓(あんけい)さん(54)=人物風土記で紹介。日用品の製作技術の一つ、わら細工に20年以上従事し、昔のままの作り方を後世に残そうと粉骨砕身する。
お正月を控えた12月末、日本民家園では「しめ飾り」の企画展が幕を開けていた。日本の祖先は稲作民族として「わら」を日常的に活用してきた歴史があり、縁起物など広い用途に使われている。
民技会は民家園に帰属する組織として1973年に発足。昨春まで会長を務め、「わら細工グループ」に所属する中島さんは「わら細工の基本は、『縄をなう』という地味だが欠かせない作業。作りたい物に合わせて、縄の太さなど力加減を変えないといけない」と説明する。「やればやるほど奥が深い。実際の生活の中で何十年も続けてきた人と比べたら、自分は何て下手なんだと思ってしまう」
後進育成に課題
約100人の会員が名を連ねる民技会では、わら細工のほか「竹細工」「はた織」「研究・編集」グループがあり、各分野で専門性を高めている。文字で民具製作の普及、保存を目指す研究・編集グループでは、全国各地の作り手から収集した技術を冊子に収録。現在47冊目を製作中だ。学術的に価値のある資料として、国立国会図書館にも所蔵されている。
会として直面する課題の一つは、後継者育成。民家園主催の講座で参加者に指導する講師不足に悩まされている。「自分で作れるようになってから、教えられるようになるまで数年はかかる」と中島さん。「毎日コツコツ継続しないと、スキルは上がらない」。人材育成の担い手を増やすことが、民家園という博物館の活動を存続する上で不可欠という。「ぶれずに昔のままの技術でそのとおりに作り続け、伝承していくことが使命」と力を込めた。
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