多摩区版 掲載号:2019年2月1日号 エリアトップへ

日本赤十字社救護看護婦として戦時の救護活動に従事した 塩田 ミネ子さん 宿河原在住 92歳

掲載号:2019年2月1日号

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尊き命に思い馳せ

 ○…黙しまゝ逝きたる兵の幾百ぞ忘れてならじ忘るゝはなし―。1943年3月、18歳で日本赤十字社看護養成所を卒業。5月には召集令状が届き、マレーシアの陸軍病院に配属された。猛暑の中、傷病兵の看護に明け暮れ、ビルマ戦線では徹夜の連続。戦傷に限らず、マラリアや伝染病、栄養失調を理由に多くの若者の命が失われた。「皆文句も言わずに黙って死んでいった。当時を思うと切なく、胸が詰まる」

 ○…大正が終わるころ、宿河原に生まれた。稲田小入学と同時に軍国主義の教育が始まり、「運動会でも軍歌の踊りばかり。百パーセント軍国少女に育った」。看護婦にあこがれ、日赤の狭き門をくぐると厳しい教育にも真摯に向き合った。陸軍病院での日々は無我夢中で一途に働いたが、苦しんだのは敗戦後。1年もの拘留生活で移動を繰り返し、食糧不足の中を生き抜いた。自決を選んだ同期生や、帰国の船で亡くなった患者の最期が、鮮明に脳裏に浮かぶ。

 ○…戦後は企業の診療所等に勤務し、70歳まで「看護婦」の道を貫いた。日赤の奉仕団体や老人会の友愛活動にも尽力。「楽しい半生。いろんなつながりができ、よく働いてよかった」。夫とは職場で出会い、娘2人に孫4人、ひ孫も生まれた。宿河原幼稚園の「母の会」の役員は今も親交があり、月に一度は集まって会話に花を咲かせる。

 ○…日赤同期の手記集などで筆を執ったことはあったが、戦争のことを口にし始めたのは最近のこと。「終活のつもりでぼちぼちまとめた」と、90余年が詰まった分厚い1冊のノートを開く。当時詠んだ歌や写真、新聞の切り抜きに目をやると、涙がこみ上げる。「生き残っているから伝えたい。それが私の役目かなと思って」。胸にしまってきた思いを、少しずつ紐解く。

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