60周年を迎えた中学生軟式野球クラブ「菅フェニックス」の代表を務める 井口 竜也さん 菅北浦在住 54歳
白球の夢、次代に託す
○…菅地区を中心に中学生が集い、現在は19人が在籍する軟式野球クラブで代表に就いて2年目。昨年11月の創部60周年を祝う会では、卒部生を含め約80人が交流した。「チームがあるのもOBの諸先輩方をはじめ地域や選手の家族、多くの方々の指導と支援のおかげ」と感謝をにじませる。
○…菅北浦で生まれ育ち、兄2人の影響で小2から東北浦の子ども会の野球チームに入団。東菅小から中野島中に進み、自然と兄たちと同じ菅フェニックスのユニホームに袖を通した。強打の内野手として門を叩いた武相高校の硬式野球部は「人生で一番きつかった」。入部時100人以上いた同期は、最終的に20人余に減った。それでも「夢はプロ。野球しかなかった」。主将として小中高時代を駆け抜けた。
○…複数のプロ球団からの誘いや大学進学の道もあったが、幼少のころ当時の川崎球場で観戦して憧れていた社会人野球へ。日本鋼管(NKK・現JFE西日本)で川崎市代表として都市対抗野球を戦い、入社2年目で準優勝。キューバで行われた世界大会では日本代表にも選ばれた。東邦高校のエース投手で「バンビ」の愛称で親しまれた坂本佳一さんは、年上だが入社は1年後輩で今も連絡を取り合う仲だ。「甲子園の三大スター。中学生のときテレビで見てたんだよ」と笑みをこぼす。
○…広島県に転勤し29歳で現役引退。菅に帰ってくると、長男が小3で野球を始め、コーチとして再びグラウンドへ。菅フェニックスでは監督を8年務めた。代表として「チームが長く続くように」という思いを胸に、運動会やお祭り、清掃など菅町会の活動にも従事。東菅小のPTA会長も全うし、顔の見える関係が広がった。「教え子がプレーする甲子園へ応援に行くのが夢」。瞳を輝かせた。
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3月29日