妻にとて 残せしものは 3人の娘と 我がいくばくの絵――。そう手帳に記し、2017年12月6日に亡くなった井上克己さん(享年72)。全日本職場美術協議会の一員として数々の絵を残した克己さんを思い、妻の紀代さん(71)が生田8丁目の自宅で遺作展「坂の上の絵画展」を開いている。
まさに坂道の頂上にある自宅に入ると、故郷の長崎や身近な多摩川、全国各地の風景が出迎えてくれる。展示はおよそ100点。一つひとつにタイトルと年代がつけられ、一部には紀代さんのコメントも。船の機関艤装の設計をしていた克己さんの作品は、海や植物が入り込んだ景色が多い。「波や風になびくものは夫の得意技」と紀代さん。亡くなる2日前、一人で2階に上がって描いていたと思われる作品は「絶筆」と名付けた。
近所の日向山ぼっこ祭りでは子どもたちに絵を教え、五反田節を歌っていた克己さん。息を引き取って数日後、紀代さんは手帳に書かれたいくつもの短歌を発見し、「家に絵を眠らせておくのはもったいない。私が何とかしなきゃ」とこの遺作展を考えてきたという。展示はきょう12月6日で一旦終了。紀代さんは「ここまで多くの人に助けてもらった。まだたくさん絵があるので今後も展示を続けられたら」と思いを話す。
自宅の場所は生田8の16の12。遺作展の問い合わせは【電話】044・900・1131。
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