専修大の学生らに慕われ、一昨年に閉店した登戸の民宿「みどり館」と併設のレストラン「みとり庵」。6月16日からビジネスホテルに形を変え、歩み始める予定だ。店を切り盛りしてきた2代目社長の小森旭(あきら)さん(73)と、妻の君代さん(70)は思いを語った。
みどり館は専大、明治大の生田キャンパスに通う学生向けに、賄い付き下宿として旭さんの父親が1957年に開業。宿泊施設が少ない地域だったこともあり、やがて一般客向けに。日本民家園の茅葺(かやぶ)き屋根を修繕するため、職人グループが数カ月滞在することもあった。「作業服だからホテルより重宝したと思う」と旭さんは話す。
民宿誕生の十数年後、1階に開店したのが「みとり庵」。手打ちうどんが名物で「安くて量があっておいしい」と、専大ほか各所から運動部員らが訪れた。栄養士の旭さんは学生の食事管理も担当。店は各部の歓送迎会の会場に定着し、アルバイト先にもなった。特に専大スピードスケート部とは縁があり、同部OBのカルガリー五輪銅メダリスト・黒岩彰さんやリレハンメル五輪銅メダリストの堀井学さん、在学中に2度五輪出場した糸川敏彦さんも学生時代からの付き合いだ。
2018年12月末に閉店するまで半世紀近くにわたり、多くの学生たちの胃袋を満たしてきた。旭さんは「閉店はいいタイミングだった。やりきった」と充実感をにじませる。思いと一緒に、新しいホテルは息子の文夫さんに託す。
商店会で「縁の下」
多摩区食品衛生協会で役員も務めた君代さんは、同会で知り合った民家園通り商店会の現顧問・岩野正行さん(73)の誘いで同商店会に入会。恒例の夏まつり運営に携わってきたほか、生田緑地で毎秋開催する「食の祭典」では、無料配布する玉こんにゃくの調理等を担当する。君代さんに対し、「親切で丁寧。いつもきちんとしている」と岩野さん。閉店時に商店会は退会したが、君代さんは「これからは陰ながらお手伝いできれば」と打ち明けた。
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