川崎市は6月1日、洪水被害の軽減に向けて整備を進める「五反田川放水路」の暫定運用を開始した。近年の豪雨災害を鑑み、一部完成した施設を活用。川の水位が上昇した際、施設内に洪水を取り込んで貯留する。
五反田川放水路整備事業は、洪水全量を地下トンネル経由で多摩川に直接放流することを目指し工事が進行。暫定運用では多摩川への放流はせず、最大約13万立方メートル(25メートルプール約360杯分)の水を施設で一時的に貯留する。川が一定量増水すると、上流域(分流部)から水が流れ込む仕組みで、下流域の洪水被害を軽減。川の水位が正常に戻ってから、ポンプを用いて川に水を引き戻す。
今回の暫定運用は、令和元年東日本台風を受けて国や県、市が取りまとめた「多摩川緊急治水対策プロジェクト」にも位置付けられている。6月6日午後の局地的な強雨では、水位が上昇した五反田川から微量(約1100立方メートル)の雨水が放水路へ流入した。
五反田川の保全活動に取り組む五反田自治会の吉田輝久会長は、「一部でも運用されれば、被害の多かった地域の皆さんが安心できると思う」と期待を寄せる。
多摩川放流は23年度めざす
五反田川は麻生区細山地区から小田急線を沿って流れ、東生田地区で二ヶ領本川に合流。高低差が著しく、合流部では台風や集中豪雨で度重なる浸水被害が発生していた。市街化で河道拡幅も難しいことから、1992年に整備を開始。当初は2018年度に完成予定だったが、運用方法や構造の見直しが重なり、現在は2023年度末の完了を目指している。
先月には、多摩川への放流部の樋門・堤外水路工事が完了。今後は外構工事や、分流部の機械、電気工事などを予定している。市の建設工事担当者は「工期が長期間に及び、地域の皆さまにはご迷惑をおかけしている。今後も完成に向け、ご理解ご協力をお願いしたい」と話している。
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