全国で猛暑が続く中、川崎市内では5月1日から8月23日までの間に312人が熱中症で救急搬送された(速報値)。うち65歳から74歳までは44人、75歳以上は125人。65歳以上の高齢者が54・2%で過半数を占めている。多摩区内の搬送人数は43人だった。
搬送数は昨年に比べて抑えられているというが、市消防局の職員は「今年は梅雨が長く気温の低い日が続いた。8月から急に暑くなったため、体が順応できず体調を崩す危険が高い」と危惧する。
症状の度合いをみると、応急処置で対応できる軽症者が185人、病院への搬送を要する中等症者が120人、入院や集中治療の必要がある重傷者が7人で、死亡者はゼロ。重症者のほとんどが50歳以上で、高齢者は自覚がないまま熱中症になる危険があり、若者に比べて重症化しやすいという。
時間帯別では午前11時台が最も多く34人、次いで午後1時台が32人、午後2時台が31人と日中に多い。場所別では屋外が192人、屋内が112人。同局職員は「高齢者は特に、エアコンが苦手な人が多い。しかし、室内での熱中症も多く発生している」とし、室温が28度を超えないようにエアコンを活用することを推奨する。
市は熱中症予防策として、こまめな水分補給やゆったりとした服装、日傘や帽子の利用を挙げ、「倦怠感が強く動けないときや意識がはっきりしないときは、ためらわず救急車を呼んでほしい」と呼びかける。
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