多摩区の北西端、稲城市との市境に位置する「小沢城址特別緑地保全地区」。20年前、市民参画のもと川崎市が策定した「小沢城址の森づくり保全管理計画」の初の改定に向け、保全団体等との意見交換が進んでいる。
約6・8ヘクタールの丘陵地に森林が広がる小沢城址は1983年、特別緑地保全地区に指定。自然調査や市民との話し合いを経て、2001年に保全管理計画が策定された。計画では人の利用と自然との共生を考慮し、【1】多様な生物が住める【2】人と自然がふれあえる【3】雑木林のサイクルを復活させる――森づくりを提言。同年に市民有志の「小沢城址里山の会」が発足し、植物の管理や遊歩道整備など幅広く活動を続けてきた。
市民と現地確認
20年間の保全活動を踏まえ、より具体的に計画を見直そうと、今夏から改定に向け始動。9月に専門業者の現地調査が行われた。99年の調査時と同様にコナラを主体とした林が広く分布し、場所により竹林の拡大や抑制があることが分かった。
市民の声を取り入れるため、市は意見交換の場を企画。11月18日、現地を歩くワークショップが開かれ、里山の会と近隣住民ら15人ほどが参加した。調査結果と照らし合わせつつ、植生保護中の箇所や、被害が拡大する「ナラ枯れ」の状況を確認した。
山頂広場での意見交換会で、調査担当者は「人の利用が多い場所はおおむねよく管理されている。樹林の若返りのための対策が必要」と説明。参加者からは「最近の雨風で倒木が多く、防災の視点を取り入れたい」「子どもたちが楽しめる工夫を考えたらどうか」などの声があった。
次回、12月の意見交換で市が計画案を示し、来年2月の完成を目指す。里山の会の島岡功会長=人物風土記で紹介=は「どう再生していくかが問題。生物多様性を考えた計画になることを期待する」と思いを話す。
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