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市政報告 市民の暮らしを第一に、本年も緊張感ある議論を 川崎市議会議員 上原まさひろ

掲載号:2021年1月1日号

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「コロナ対応一色」 経済対策に焦点

 新年明けまして、おめでとうございます。令和2年の川崎市議会は、臨時会が2カ月連続で開催されるなど、まさにコロナ対応一色と言っても過言ではない状況でした。地域経済にも大きな打撃となったばかりでなく、我々の生活も大きく影響を受けました。

 昨年は総務委員会の一員として、総務企画局・財政局・経済労働局などのテーマに沿って議論をしました。

 賛否両論あった国費負担のコロナ対策である「川崎じもと応援券」なども、その最たるものです。使い勝手の問題、参加店舗の資金繰りへの悪影響の問題、果ては不正利用の可能性まで、熱い議論となりました。

 一人の委員として、また自民党会派として、いわゆる商店のみならず、幅広い業種が参加できるよう要望しました。また、利用可能店舗でも購入できるよう市に求め、利便性と実効性の向上に向けた議論に一石を投じました。

フロンタウン生田資産有効活用を

 議場で自分のテーマで取り組むことのできる一般質問は年2回あります。そのうちの1回目、6月の質問では、生田浄水場用地にフロンタウン生田が設置された際の、土渕・生田および県道川崎府中の混雑、多摩沿線道路沿いにある稲田水源地(30年以上使われていない円筒形の建物)などについて取り上げ、資産の有効活用方針について触れました。

 川崎市は、残念ながら他の自治体同様、単式簿記で、これをとても重く見る風潮があります。企業会計的手法での決算も行っていますが、発表されるのはもう冬目前。また資産管理については別表管理、しかも公益性の観点から時価会計は行っていません。これでは本当の意味での、むしろ民間並みの資産活用もできません。

歴史的価値ある大丸用水の存在

 2回目となる12月の質問は、主に大丸用水についてです。これは言うまでもなく、令和元年東日本台風において、特に多摩区では菅稲田堤2・3丁目、布田において、多くの一般家庭に浸水被害が起きたことを風化させず、二度と繰り返さないための体制を整えていくためのものです。

 市域を流れる二ヶ領用水は3月に国の登録記念物となりましたが、大丸用水も市内流域である菅・中野島・登戸の歴史には、かけがえのない存在です。また、農業用水としても、歴史・文化の価値としても、本市の取組が不足している点を指摘するための質問でした。

 * * * * *

 令和3年に関しても、新型コロナウイルスのワクチン接種対応が喫緊の課題とされ、オリンピック開催もその後予定されています。目下、地域行事が中止される中、議会では緊張感のある熱い議論が交わされることと思います。

 私も1期目議員として、気を引き締めて、他のベテラン議員とは違った視点と動きで、市政に貢献して参ります。

浸水被害を繰り返さない確実な対策と その一歩先へ

 令和2年12月の定例会では、大丸用水をテーマに、市の捉え方とその方向性を明らかにするべく質問しました。

 古くからこの多摩区、特に菅・中野島・登戸での稲作農業を支え、現在も都市農業のかけがえのない大動脈として存在し、その重要性は高いにもかかわらず、これまであまり注目されていませんでした。議会ではその重要性を周知するとともに、図の(1)(2)(3)の要素に分けて議論しました。

■(1)取水施設からの過度な水の侵入は止められる

 まず川崎市としては、先年の三沢川下流域における水害の一因として、多摩川から大丸用水への水の流入を挙げており、稲城市に対して6月に要望書を提出しました。これは議会でも明らかになっておらず、私が稲城市に視察に伺い、大丸用水土地改良区の皆様と事務局(以下、稲城)にお話を伺ったところでもあります。その内容は、取水口のうち排泥水門と呼ばれる施設からは、想定以上の水位上昇に伴い越水したため、これに対策した、というものです。これに対し、稲城からは、実は図に示す市内水門を何年も稼働させておらず動かなかったことがわかりました。稲城の動きは早く、取水施設の修理、これが実現するまでの暫定処置(増水が予想される際、角材で市内向け水門を防ぐ角落し)を提示し、10月には受益面積に応じた費用負担を要望する書面を、川崎市長あてに提出されました。

 議会ではこの一連の流れを明らかにし、内容精査の上、稲城の動きに応え、費用負担する点を求め、現在、川崎市でも前向きな検討に向かっています。稲城では市の職員が増水の危険の中、取水施設の水だまりの中にその身を沈め、角落しし、下流域への責任を果たしていることを伺いました。これはあくまで暫定処置で、川崎市も責任持ってこの前向きな対策に取り組むべきと感じ動き、具体的な必要な情報提供の懸け橋となれたことは、議員となって初めての経験でした。

■(2)川崎市も本気で取り組む「流域分水」

 ここまでお読みになって、「稲城は頑張っているのに、川崎は?」と思われた方も多いと思います。川崎市もしっかりと取り組んでいる部分があります。それは流域の分水です。図表の中の(2)部分で示すように、川崎市では、特定の場所に水が集まらないように、稲城市と協力して、分水板を駆使して市内流域での水の分散に取り組んでいます。これは川崎市職員の皆様が現地でその足で稼いだ成果であり、何度も上流での分水のためのシミュレーションを重ねていただいたことで、議会でも答弁できるようになったものです。また昭和62年以来、更新されていなかった水路図に対しても、既に昨年10月28日より、高低と水流を考慮した水路網調査に乗り出しており、内水対策に取り組んでいます。現場での、こうした地道な調査と試行は、高く評価すべきものと考えています。

■(3)【課題】三沢川水門の排水機能の必要性には明確な答えを

 図で示す(1)(2)の対策は、確実に前に進んでいます。一方で、(3)に示す三沢川水門の閉鎖時に、まだ課題があります。議会では、あくまで一般論として水門を閉鎖したときは、降雨の状況によっては浸水被害が発生する、との認識を確認しました。川崎市の答弁どおり水門を閉めれば、上流からの水であふれるリスクが存在するのは明らか、そして溜まってしまった上流からの水は、多摩川に排水する必要があるのも明らかです。ただ(1)の対策で水の流入を減らし、(2)でそれを分散するという努力で、昨年被害を受けた地域にどれだけ水が集まらなくなるのかがはっきり把握できていません。これでは昨年の被災地域の皆さまは安心して過ごすことはできません。今後は、排水の必要があるのか、必要があるならばどのように対処するのか、道筋を示していかねばなりません。早急にです。

 今回の議会では、継続審査中の請願と内容が重複してはならないという制限がありました。私としては、他の区の排水樋管付近対策で導入された排水ポンプ車を転用できないのか、もしくは正式に配備できないのかなど、具体的提案をして参ります。また現状として、特に大雨時に雨水を修水するという点にも注目し、排水溝と水路の関係、さらには雨水の排水方針も明らかにしていく必要性を痛感しました。

■【課題】都市農業の大動脈を守れ

 リスクの話ばかりを連ねましたが、そもそもの話です。大丸用水は、流域にとってなくてはならない灌漑(かんがい)用水でした。その歴史は古く、江戸幕府の年貢米の増収を目的に、開削時期は17世紀ごろといわれています。宅地化が進み、面積としては漸減傾向にある生産緑地ですが、梨などすばらしい地産品を口にされたこともあるのではないでしょうか。またイチゴなどへの転作による更なる高付加価値化・都市農業ならではの体験型農業の導入など、新たな取り組みも生まれています。宅地化が進みすぎたことで、流域の雨水吸水機能も重要です。また多くの生産緑地が、地震などの災害時の避難場所としての協力をしています。

 農地以外への開発ばかりが優先されていた時代は、既に世界的に持続可能な社会を目指す向きにあり、地域で重要な機能を担う都市農業の重要性はますます高まることを考えても、守っていく必要があります。川崎市も認識していることが確認できました。

■【課題】歴史と文化を大切に

 危機管理面でも、都市農業振興においても、またその歴史からも、これほど重要な大丸用水。川崎市では、主体性をもった管理計画はなく、場当たり的に管理されてきています。その結果、カバーされて暗渠(あんきょ)化するなど、「歩きにくい歩道」との認識をされている市民も少なくないかと思います。一方で、稲城市では親水公園も存在するほど大切にされています。これは管理する大丸用水土地改良区の事務局を稲城市が担い、主体的に管理を行ってきたため、川崎市とは認識が異なるからだと考えられます。

 川崎市にも確認しましたが、現状では、物理的には親水利用することはできません。現状で農家数がやや減少傾向にあることを考えると、細かすぎるとみられる網目状に張り巡らされた大丸用水は精査が必要ではありますが、頑張っている生産者の事業環境を保護し、地域の歴史と文化を継承するために、しっかりと明確な意思をもって守り抜く決意と計画が必要と考えます。

■【課題】川崎市の「危機管理」はこれから

 以上の話題は地域での話です。ですが川崎市は、災害に対する危機管理能力を抜本的に見直す必要があります。議会でも触れましたが、川崎市の危機管理室には大変期待しており、現在は避難所のみに焦点が当てられがちです。川崎市は高度に都市化した地域もあれば、穏やかな田園地域も有する稀有な土地です。市全域にわたって「危機」を定義・定量化し、財政に働きかけ、また各局にしっかりと要請が出せるような、力強い「危機管理」を実現し、全国の危機管理の模範となってもらうことを目指し、今後も議論を続けます。

上原まさひろ

神奈川県川崎市多摩区菅2-9-1 グランベルジェ204

TEL:044-946-6027

http://www.uehara-masahiro.jp

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