東日本台風で浸水被害を受けた川崎市市民ミュージアム(中原区)の収蔵品について、市は1月21日、雑誌など4万2237点を廃棄処分すると発表した。水没した収蔵品約22万9千点の一部で、廃棄は初。応急処置や修復作業の先月時点の進行状況も公表した。
廃棄処分が決まった収蔵品は、日本の報道写真誌「アサヒグラフ」や米グラフ雑誌「LIFE」「週刊少年マガジン」、手塚治虫や赤塚不二夫作品の単行本など。同館以外でも存在が確認できたものがほとんどで、昨年7月に決定した市の基準に沿って判断された。
民族分野の企画展のために制作されたわら人形も、処分対象の一つ。市担当者は「処分の判断をした収蔵品が出てくれば、随時発表していく」との展望を示す。
5万点が応急処置済
同館では、被災した2019年10月中に収蔵品のレスキューを開始。専門機関の支援を受けながら、館外への搬出や紙資料等の冷凍保存、資料の燻蒸処理などを継続してきた。昨年6月には、全ての収蔵品の搬出が完了。水に弱い写真やフィルムなど、優先度の高いものから状態を安定化させるための応急処置や修復作業が進行している。
市によると、先月25日時点の収蔵品の状況は、応急処置済みが約5万点、準備段階を含む修復中が2067点、修復済みや修復不要なものは544点。温湿度が管理できる施設など外部倉庫に約4万2千点、冷凍・冷蔵として約1200箱が保管されている。
多摩区に関わる市重要歴史記念物の状況は、「生田古墓群鴛鴦沼古墓出土火葬骨蔵器」や「生田古墓群生田8601番地古墓出土火葬骨蔵器(須恵器壷・蓋)」が応急処置済み。「宿河原縄文時代低地遺跡出土品」の大型網籠ほか21点は修復中という。歴史関連では小泉橋関係資料が応急処置済み。「長尾村・鈴木恕家文書」を含む古文書等コンテナボックス約410箱は、冷凍保管中になっている。
同館では先月、復旧・復興に向けた1年間の活動記録を動画で公開。関係者が撮りためた写真や職員の証言等をまとめたもので、およそ40分にわたる。動画プロジェクト担当者の一人、安尾祥子さんは「前例がないからこそ貴重な記録。全国の美術館などで、誰かの役に立てるかもしれない」と話す。動画は同館ウェブサイトで視聴できる。
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