中原区にある川崎市動物愛護センター「ANIMAMALL(アニマモール)かわさき」では今年度、保護した犬や猫を新しい飼い主のもとへ引き渡す譲渡の成立率(譲渡率)が上昇した。定期譲渡会が開けない中、職員らが動物の様子や飼育者の思いをSNSで発信するなど工夫を凝らしている。
今年度は1月末時点で、保護した犬や猫の収容数は前年比191減の470頭に対し、譲渡数は101頭減の345頭。譲渡率は6ポイント増の73・4%となった。
月1回の譲渡会には毎回250人前後が参加していたが、コロナ禍で昨年3月から中止。一般公開の機会がなくなった分、同センターではインターネットで積極的に情報発信しようとフェイスブックの活用を決めた。
職員らが収容時の様子や個々の動物の性格など「飼育しているからこそ分かる情報」をテーマに週に数回、文章と写真を投稿。今年1月にはツイッターも活用し始めた。同センターの福田依美子所長は「飼い主のもとで愛されて育つことが保護動物にとっての幸せ。SNSでの投稿を機に、譲渡会を知らない人にも情報を届けられたのならうれしい」と思いを話す。
緊急時の対応「平時から備えを」
ペットを飼育するときの課題の一つが、災害など緊急時の対応だ。一昨年秋の東日本台風の際、川崎市危機管理室は「ペット同行避難は可能」という内容のアナウンスを発信。しかし、周知が行き届かずペットを理由に避難しない人がいたほか、避難所で利用を断られる事例もあった。
これを受けて市は昨年7月、ケージ持参を条件に風水害時の同行避難は可能だとウェブサイトに明記。福田所長は風水害時の飼育について、避難生活のシミュレーションや避難所以外の預け先を家族で考えるなど、平時からの備えの重要性を訴える。コロナ下においても「感染して入院することになった場合も、ペットがきちんと暮らせるような準備をしておいてほしい」と話す。
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