物資が不足する医療・看護現場を支援しようと、西生田に住む井関陽子さん(84)と、芦川ゑみ子さん(73)=麻生区在住=は3月10日、手作りガウン約200枚を高石地域包括支援センター(麻生区)に寄贈。来月、訪問看護を行う市内事業所に配布される予定だ。
井関さんと芦川さんは、コロナ下で同センターが昨春立ち上げた「手作りマスクプロジェクト」に参加。マスクが必要な人と作る人をつなげる活動を通じて、今回の取り組みに至った。
「訪問診療のときに使うガウンが足りていない」。かかりつけの歯科医院でそう聞いた井関さんが芦川さんに声をかけ、昨年6月ごろからガウン作りを開始した。ナイロン製の70リットルの袋を、首と肩が入るよう裁断。袖には20リットル袋を使い、裁断した袋にテープで貼り合わせて仕上げた。当初はインターネットの情報を参考に作っていたが、井関さんが通う歯科医院のアドバイスを受けて改良。かがんだときに、はだけないように背中を開けた構造が特徴だという。
協議会から現場へ
これまで作りためた約200枚のガウンは、同センターを通じて神奈川県訪問看護ステーション協議会川崎ブロックへ。同ブロック代表を務める、ひばりの森訪問看護ステーション多摩(宿河原)の佐々木直美所長は「徐々に物資不足は解消しつつあるが、ありがたい。現場で使用していきたい」と感謝を表す。
「コロナで外出できず、気が滅入っていた。何か役に立つものをと思って作った。喜んでもらえてうれしい」と井関さん。芦川さんも「いらないと言われるまで作り続けたい。一緒に活動してくれる人が増えてくれれば」と思いを話した。
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