令和元年東日本台風で浸水被害を受けた川崎市市民ミュージアム(中原区)の収蔵品について市は先月26日、修復作業の4月末時点の進捗状況を公表。水没した収蔵品約22万9千点のうち2366点の修復が完了した。
前回報告があった2月末時点の修復品は567点。以後2カ月間で修復されたのは、指定文化財の市重要歴史記念物7点のほか、歴史資料となる瓦版や絵図など。洋画家・田中岑(たかし)の油彩画や、童謡『ぞうさん』『一年生になったら』の作詞で知られる詩人・まどみちおの絵日記20点、19世紀の仏画家であるロートレックやアール・ヌーヴォーの作品なども修復済みとなった。
廃棄処分は4万点
同館では、被災した2019年10月中に収蔵品のレスキューを開始し、昨年6月に全ての収蔵品の搬出を完了。指定管理者や市職員、外部支援団体スタッフら延べ9千人以上が携わり、応急処置や修復を継続してきた。
4月末時点の応急処置済みの収蔵品は約5万点、準備段階を含む修復中は3015点。約4万2千点が外部倉庫、約1200箱が冷凍・冷蔵で保管されている。同館以外でも存在が確認できた雑誌や漫画など、判断基準に基づき約4万点が廃棄処分となっている。
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