マナーを呼びかける看板
公園で子どものボール遊びを禁じる看板をマナー啓発の内容に差し替えようと、川崎市は付け替え作業を進めている。先月24日時点で、公園30カ所の看板を変更完了。安全確保や騒音などの課題を踏まえ、公園のルールづくりに関するガイドラインを見直し、活用を目指す。
川崎市ではこれまで、市内の公園１２４６カ所のうち、安全性や騒音などの問題が生じる懸念がある３５０カ所に「野球・サッカー禁止」の看板を掲示していた。
しかし、都市公園法の「自由利用の原則」に加え、ボール遊びができる公園がほしいという市民の声を受け、昨年度から「禁止」看板の変更に着手。「マナーを守って遊びましょう」といった文言への書き換えを順次進めている。
川崎市は２０１８年、公園のルールづくりのガイドラインを策定。「地域が主体となってルールを設け、周知を図ること」としていたが、進展がみられなかった。「関係者を集めて合意形成を図るには住民の負担が大きかった」と市は分析。今後、地域の理解を得ながら、看板の変更とともにガイドラインの見直しも進めていくという。
遊びの線引きに課題
ガイドラインを活用していくうえで課題となるのが、公園の利用マナーだ。市の条例では「球技等を集団・複数でする」「金属・木製バット、硬球の使用」は禁止行為とし、数人でのキャッチボールやビニールボールを使った遊びは他の利用者の迷惑、危険にならなければ認められている。池上新町町内会（川崎区）の浦野一吉会長は「何が危険で迷惑なのか考えないと禁止せざるを得なくなる」と利用者のマナー向上を問いかける。
幸区では、公園以外でもボール遊びの場などを提供しようと、市民から受けた提言をもとに学校の校庭開放の試行も検討する意向。市担当者は「各課題を抽出し、関係機関とマナー啓発に取り組みながら、環境の整備を進めていきたい」と意欲をみせる。
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