食中毒の原因の一つ「腸管出血性大腸菌感染症」について、今年の川崎市内の感染報告数が過去5年の同時期に比べ最多となっている。
同感染症は大腸菌を原因とし、激しい腹痛や頻回の水溶性下痢、血便などの消化器症状を引き起こす。小児や高齢者など抵抗力の弱い人は脳症や溶血性尿毒症症候群などの重症な合併症を起こすこともある。
例年は6月から9月にかけて、気温の上昇とともに報告数が増加。今年は5月下旬から増え、7月4日までに17件の感染報告があった。昨年は同時点で7件、一昨年は9件にとどまっていた。
市健康安全研究所担当者は「感染源がはっきりしないケースが多く、増加の原因を特定できない」と話す。市感染症対策課担当者も「コロナ禍で外食も減っているはず。科学的根拠もなく検討もつかない」という。対策として「生肉や加熱不十分な肉は避け、よく加熱する」「生で食べる野菜は流水でよく洗う」などを呼びかけている。
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