福島県の新聞社・福島民報社(芳見弘一社長)は、2011年の東日本大震災と原発事故をテーマにした絵本「きぼうのとり」115冊を先月、川崎市に寄贈。絵本は市内の市立小学校全114校に配布される。
震災の記憶や教訓を後世に伝えようと、同社が企画制作した絵本。震災で家族や友人との別れを経験した3人の小学生が、復興に向けて立ち上がっていく姿を描いている。
今回の寄贈は、朗読を通してこの絵本の普及啓発に取り組む「きぼうのとり絵本サポートプロジェクト」副代表の笹久保孝子さんと、吉沢章子市議が川崎市との橋渡し役に。福島県相馬市の復興支援を行う一般社団法人あむえこねっと代表でもある笹久保さんは「絵本をたくさんの人に知ってもらい、震災について考えてもらえたら」と願いを込める。
先月21日、川崎市役所第3庁舎で行われた贈呈式で、芳見社長は福田紀彦市長に絵本を手渡した。福田市長は「絵本という形で、後世に伝えていく発想が素晴らしい。子どもたちに絵本の意味をしっかり伝えたい」と話し、芳見社長に感謝状を贈った。
芳見社長は「震災から丸10年。自分事として防災と自分や家族、友人の命を守る行動を考えるきっかけになれば」と思いを語った。
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