国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が先月、7年ぶりに第6次評価報告書を発表した。報告書では「人為起源の気候変動は多くの気象及び気候の極端現象に影響を及ぼしている」と公表。近年多発する気象災害と地球温暖化の関係について、川崎市地球温暖化防止活動推進センター(高津区)の庄司佳子センター長に聞いた。
―災害の増加や大型化は地球温暖化とどのような関係がありますか
「気象状況の重なりなどもあるので言い切れませんが、災害の多発化、大型化は温暖化の影響を受けていると言われています。市内でも大きな被害があった令和元年東日本台風で、その考えはさらに広まったように感じます。産業革命前(温暖化進行前)と比べると、現在は気温が1・1度上昇しています。気温が上がると海水温も上がり、大気中の水蒸気量が増え降水量が増加します。『猛烈な雨』はここ30年で約1・7倍増加しているという気象庁のデータもあります」
―温暖化が進むと、今後どのような影響が出るのでしょうか
「IPCCの報告書では、産業革命前に比べた気温上昇が今後20年以内に1・5度に達すると予測しています。そうなると、洪水被害は今の約2倍になるとも言われています。熱波により農作物などにも影響が出て、物価が上がり、私たちの生活にも直面するかもしれません。気温上昇が1・1度まで来ていることを考えると、脱炭素の動きを加速しなければいけません。市が進める『カーボンゼロチャレンジ2050』もその一つです」
―いま、私たちにできることは
「マイボトルやカーシェアリングなど小さな取り組みでも社会全体で促進することで大きく変わってきます。再生エネルギーにも目を向けてほしいです。エコは我慢することではなく、より豊かで楽しい暮らしをつくるものだと思います」
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