今月、放送が始まったNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。俳優・小栗旬さんが演じる北条義時を主人公に、平安時代末期から鎌倉時代初期までを描いた物語だ。ドラマで義時同様に注目を集めているのが、源頼朝(大泉洋さん)と、平家追討で重要な役割を果たす頼朝の弟・義経(菅田将暉さん)だ。
この2人にゆかりのある場所が多摩区と麻生区の境に存在する。今後描かれるであろう、頼朝の挙兵を知った義経が奥州平泉(岩手県)から駆け付け、黄瀬川(静岡県)で対面する場面。奥州平泉からの道中で義経が今の川崎市北部を通ったとされる。
多摩区ゆかりの地の一つが、世田谷通りの「高石歩道橋下」交差点から、よみうりランド方面に向かう途中にある「二枚橋」。この橋は義経一行が寿福寺(菅仙谷)を過ぎ、高石から五反田川の橋を渡ろうとするも、橋が粗末だったため渡ることができず、弁慶たちが丸太を使って橋を架け直したとされる。丸太の上に土を盛ったその橋が、横から見るとのし餅を2枚に重ねたように見えたことから「二枚橋」と名付けられたという。その言い伝えが書かれた看板が橋付近に設置されている。
多摩区に同名・和菓子店
「高石歩道橋下」交差点のそばに、橋と同じ名前の和菓子販売・卸店「ニマイバシ」(西生田)がある。店主の富田勇二さん(74)は「昔は橋の隣に店があり、名前が付けられた。私で4代目と聞いているが、店はもっと前からあったのでは」と店の歴史を語る。店名は昔の屋号(家の呼び名)が由来という。
富田さんによると、道路が整備される前は橋のすぐ横に街道が通っており、都心から町田に向かう際の「お休み処」として繁盛していた。「雑貨屋だったり、マーケットをやっていたとも聞いている。和菓子店として45年になる」と富田さん。「ドラマを見て、来る人もいるでしょうね」と話してくれた。
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