多摩区制50周年記念式典が4月30日、多摩市民館大ホールで開催された。区内団体の代表者や一般観覧者、地元議員ら200人以上が参加。半世紀の歩みを振り返りながら、新たな50年に向け思いを交わした。
記念事業実行委員会が昨年度から準備を進め、コロナ感染対策のため規模を縮小して実現した式典。実行委員長を務める多摩区町会連合会の濃沼健夫会長は、記念誌制作や公募企画など関連事業について触れ、「多摩区に住む次の世代のために、また節目の年が区民の皆さんにとって長く思い出につながるように、この1年精いっぱい努める」とあいさつした。福田紀彦市長は「この土地を皆の故郷にしようという思いで、50年間力を貸していただいている全ての皆さんに心からの敬意を」と感謝を表した。
日本映画大学(麻生区)の協力で制作した記念映像の上映では、多摩区誕生までの出来事を約10分の動画で紹介。市の映像アーカイブを活用し、多摩川梨や菅の獅子舞など、50年以上前の風景や街並みが映し出された。
中西哲生さん新拠点を語る
基調講演として、川崎フロンターレクラブ特命大使の中西哲生さんが登壇。1999年に主将としてチームのJ1昇格に貢献した中西さんは、「チームの地域密着を市と各区と一緒にやらせていただいた。皆さんのおかげで今や日本一のチームになった」と地域に根付く過程を振り返った。同クラブが生田浄水場用地に来春開設する新スポーツ拠点「フロンタウン生田」についても言及。「フロンターレの下部組織、小中高生の活動拠点になり、将来の日本を背負う子どもたちがお世話になる。ぜひ皆さんにも一緒に使っていただいて、多摩区のスポーツツーリズムの場になれば」と思いを話した。
中西さんを交えたパネルディスカッションでは、葉月町会会長の倉本明さんと民家園通り商店会顧問・多摩区観光協会副会長の岩野正行さん、専修大学4年で「ちょいマル」を主催する内山恵太さんが壇上へ。田園調布学園大学人間福祉学部准教授の和秀俊さんの進行で、「魅力ある地域資源を活かした多世代で創るまちづくり」をテーマに談議した。互助の構築について説明した倉本さんは「イベントなど世代間交流をしていく中で結果的に互助につながる。町会は狭いものではなく、どんな人でも受け入れるということを広めていけたら」と語った。大規模な夏まつりや「食の祭典」を仕掛けてきた岩野さんは、「共生社会の取り組みをしながら、さらにイベントを増やしたい。皆さんのご協力があればこれ以上のことができると思う」と力を込めた。藤井智弘区長は「区としても、地域活動の横のつながりを広める取り組みをしていきたい。次の50年に向けてまちづくりを推進する良い契機となった」とまとめた。
多摩区は川崎市の政令指定都市移行に伴い、1972年4月に誕生。82年、北西部が麻生区として分区した。記念式典の様子はユーチューブの多摩区チャンネルで今月中に動画配信される予定。
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