保護司として「多摩区更生保護女性会」の会長を務める 太田 裕子さん 生田在住 75歳
心尽くし、向き合う
○…犯罪や非行をした人の更生を支える保護司になって19年目。女性保護司や保護司の妻ら48人が所属する多摩区更生保護女性会で、会長として4年目になる。地域イベントでの啓発や更生保護施設の支援、6月は長尾の「あじさいまつり」でのあられ販売が恒例だ。「会員の親睦を深め、テーマを持って活動していきたい」と、新年度に思いを新たにする。
○…民生委員など地元で幅広く活躍した母と、子ども会活動に尽力した夫の勧めもあり、先輩保護司の推薦を受けて更生保護の道へ。「心からみてあげること。気持ちで接すれば気持ちで返ってくる」と、対象者との対話を重ねてきた。区女性会は一昨年、全国の地域連携の推進地区に指定されたがコロナ禍に。活動が制限される中、街中で困っている人への「声かけ運動」を皆で始めた。「勇気を出して声をかけてよかった」と、道端で動けなくなっていた男性を助けた経験を振り返る。「小さいことから始めて、広げていけたら」
○…3姉妹の長女、生まれも育ちも生田。私立高校の教師を5年勤めた後、自宅の一室で50年にわたって近所の子どもたちに勉強を教えた。1女3男の子育てに奮闘しながらの日々だったが「教えるのが好きだから。自分の勉強にもなる」と目を細める。今は8人の孫に恵まれ、老人会活動や旅行、カラオケ、舞踊と趣味を楽しむ。「健康じゃないとね」と野菜作りにも精を出す。
○…区保護司会の副会長も4年目。「与えられたことはしっかりやる」と、今できることを模索する。ボランティア活動を通じて思い浮かぶのは、地域に尽くした母の背中。「多くは語らなくとも、いるだけで存在感がある人だった。母には及ばないけれど」。その姿を胸に、次代を思う。
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3月29日