法政二高軟式野球部 "伝統復活"の県制覇 結束力で掴んだ13年ぶりの優勝 夏の全国出場目指す
法政二高軟式野球部(福田匠監督/部員36名)が13年ぶりに県の頂点に立った。日々の厳しい練習と、7年前の混迷期を乗り越えたチームの結束が実を結んだ。
15日の横浜創学館高校との決勝戦。0-0で迎えた5回裏、法政二高はノーアウト満塁のビッグチャンスも三者連続三振で無得点。流れが創学館に傾きかけたとき、ミーティングで気持ちを一つにした。「やることはやってきた。精神力の勝負、集中していこう」。6回表の攻撃を抑えたその裏、先頭打者が出塁しすかさず盗塁、その後エンドランで1点をもぎ取った。エース阿部投手の好投も光り、結果1-0のスコアで見事13年ぶりの優勝を果たした。
小黒隆文主将は「もともとチームワークは良かったが、試合を重ねるごとに結束力が強くなっていった」。昨年まで主将を務めたOBの福田匠監督も「一生懸命努力してきたことが、結果となって表れた」と喜んだ。
不祥事をバネに
”13年ぶりの復活”までの道のりは決して平坦ではなかった。7年前、同部は不祥事で県大会出場を辞退。部内の雰囲気も良くなく、選手や監督、顧問も気持ちがバラバラだった。「もう一度、立て直そう」。当時から顧問を務める森幸雄教諭は、選手監督とコミュニケーションを取り続けることで一体感を作り上げていった。「野球をする前に法政二高の模範となる生徒になれ」を合言葉に、野球だけでなく勉学や学級活動にもそれまで以上に力を注いだ。
日々の練習は、1日3時間超。休みとなる木曜以外の平日は、約2Km離れた多摩川河川敷のグラウンドまで野球道具をもって走るのが決まりだ。グラウンドが使えない土日や雨の日は、校庭の片隅で基礎練習に励んだ。入部した誰もが一度は弱音を吐くほどの厳しい練習にも、休まず取り組んできた。森顧問は「技術面に加え、精神面の向上が優勝という結果につながったのだと思う」と目を細める。
16年ぶりの”夢”へ
県大会優勝で、26日から群馬県高崎市で行われている関東大会に出場した。
小黒主将は「今年はチーム力はもちろん、福田監督の斬新かつ実践的な練習が部員に浸透してきている。まずは関東大会の1試合1試合を大切にし、7月から始まる夏の大会で全国を目指す」と意気込む。硬式野球の甲子園にあたる軟式野球の夢の舞台、兵庫県・明石球場。16年遠ざかっている全国大会も、いよいよ目の前に近づいてきた。
「練習に向かう途中、よく地域の方に”頑張れ”って声をかけて頂き、励まされている。それに応えるためにも良い結果を残したい」―。地域に根差す伝統校は、心身ともに大きくなっている。
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4月19日
4月12日