川崎市内での風しん患者の届出件数が増加しており、5月30日現在での届出は8件と、08年のデータ収集開始以降で最も多くなっている。市では予防接種を促すなど注意を呼びかけている。
風しんは、風しんウィルスにより起きる感染症で患者の飛まつ(唾液のしぶき)などによって他人にうつるという。潜伏期間は約2〜3週間。主な症状は発しんや発熱、リンパ節の腫れが挙げられる。
市内の届出件数は08年が3件、09年1件、10年3件。今年は5月30日現在ですでに8件となっており、医療機関すべてが報告するようになった08年以降で最多となった。「新しい年度になって集団生活が始まると発生しやすくなることが考えられる」ことから例年は初夏にかけて流行することが多いが、今年増加した原因は不明としている。
予防接種歴「不明」半数以上
年代別で見ると、10歳未満が1人、10代が3人で、30代以上が4人。成人がかかると期間が長い上、重い関節痛になることもある。8人の中で予防接種を「2回接種した」という人はおらず、5人は「不明」だった。市健康福祉局では「抗体があるかないかは検査で分かる。予防接種を2度受けることで防止できるので、そうでない場合は意識を持ってほしい」と話している。
公費負担による予防接種制度では麻しん風しん混合ワクチン(MR)の2回接種を推奨しており、市では09年度の予防接種率が国より低かったことをうけ勧奨を強化。個別通知に加え、接種していない人には再度通知し呼びかけた。その結果10年度の速報値では09年度で低かった第3期、第4期の接種率が上昇した(上記表)。
妊婦は要注意
妊娠初期の女性が風しんにかかると胎児もウィルスに感染し、難聴や白内障、発達の遅れなどの障がいを持った子どもが産まれる可能性があるという(先天性風しん症候群)。
同局では「妊娠予定がある人や家族は早めの接種を。接種しておらず妊娠した場合は、人ごみなど感染しやすい場所への外出を避けることが必要。うがい、手洗いの徹底も効果的」と話す。※妊娠中は予防接種を受けることはできない。
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