寄稿 「3・11」後の日本―国民の意識の変革を― 川崎市議会議員 松原しげふみ
3月11日の東日本における大震災・大津波・原発事故は、大変な惨事であり災難であり、日本はもとより全世界に大きな衝撃を与えました。またこの度の震災では防災に対する認識や非常事態発生時の対応、今後のエネルギー確保の問題、政治のリーダーシップがいかにあるべきか、家族の絆など、日本国民の意識や価値観に少なからず変化が生じたことかと思います。
「民族とは何か」「国家とは何か」を再確認する契機になったのではないかと感じています。
今回の震災で自衛隊・消防・警察・海上保安庁などの多くの方々の献身的な活動には多くの国民の皆様が感銘を受けたことと思います。特に自衛隊の活躍は高く評価されました。独立国として自国は自らが守ることは当然のことでありますが、災害や有事にあたり、国民を守る自衛隊を憲法で保障しなくてよいのでしょうか。自然災害という危機管理において「想定外」があってはならないとの教訓を残したのが今回の東日本大震災でありました。自衛隊は災害出動で活躍しましたが他方、危機管理である「有事」ではどうか。自衛隊の本来の任務である、国の守りにおいて「想定外」などあってはなりません。
我が国固有の領土である、竹島や尖閣諸島、北方領土の問題など主権国家として対応しなければならない事態が進行しています。現行憲法には国家緊急事態に関する規定が無いに等しく救援復興を遅らせている原因でもあります。
いつ何時、国家緊急事態が発生するかわからない状況の中で、国としてどのように対応すべきかという政策をまとめ「有事の想定外」を解消すべく、憲法に明記すべきであります。
今の日本人を形作ってきたのは戦後の憲法であり教育であります。その結果、戦後日本人はエゴイズムに走りすぎた経緯があるようです。本来日本人は互譲・互助の精神があり、その精神を受け継いできました。今回の震災で我が国日本には目に見えない「精神的強固な基盤」があると多くの国民が気づいたのではないでしょうか。日本人のすばらしい国民性と言っても過言ではないでしょう。日本人は物質偏重で精神的な価値をなおざりにしてきました。今回の震災を謙虚に受け止め、これまでの幾多の国難を克服してきた民度の高さを誇りとして日本の底力を示す時であります。
松原しげふみ
松原しげふみ事務所
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