虐待防止へ啓発バス運行 オレンジリボンで市民の理解深める
川崎市は児童虐待防止のシンボル「オレンジリボン」をバスの車体に描いたラッピングバスの運行を今月1日から始めた。児童虐待防止を啓発し、井田、上平間、塩浜、鷲ケ峰の4営業所の管轄路線で4月末日まで実施される。
児童虐待の相談・通告件数は全国的に増加傾向にあり、川崎市でも22年度は1047件と過去最多となった(それ以前の3年間の平均は656件)。川崎市市民・こども局では「一概に虐待が増えているといいきれないが、虐待は社会的な孤立が原因の一因ではないか」と話している。
今回のラッピングバスは、児童虐待を市民により身近な問題として捉えてもらうことが狙い。「市民の理解を深めてもらい、虐待ゼロの社会を築くことが理想」と同局。ラッピングバスの運行は昨年、隣接する横浜市で実施され、「ラッピングバスなどPRに力を入れている。啓発という意味では相談者が増えているので市民の理解を深められているのではないか」としている。他にも長野県や奈良県、香川県などでも導入されており、どの地域も一定の効果が出ているという。川崎市市民・こども局では「他県で実績のあるものを取り入れている。まずは相談が出来る場所があるということを多くの方に知ってほしい」と話し、今後は児童虐待の実状把握と対応を課題にしている。
同バスは、区内では井田営業所が管轄する川崎駅〜新城駅(平日・土曜)1日3往復、溝口駅〜有馬第2団地(休日)10往復。上平間営業所が管轄する川崎駅西口〜小杉駅(平日)7往復、小杉駅〜蟹ヶ谷3往復、溝口駅〜小杉駅(土曜)2往復などで走っており、「比較的利用者の多い区間で運行をしている」と井田、上平間の両営業所では話している。車両には虐待防止のシンボルマークのオレンジリボンがデザインされているほか、川崎市児童虐待防止センターのフリーダイヤル0120・874・124も掲示されている。
なお、神奈川県内の22年度の児童虐待相談受付件数はおよそ6477件で横浜市約2800件(横浜市は相談に対して実際に虐待と認められた把握件数626件を公開しているため、受付件数はおよその数となる)、相模原市487件、横須賀市290件、それ以外の市町村1853件となっている。
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4月26日
4月19日