法政大学第二中・高等学校(榎本勝巳校長)の時計塔校舎の存続を目指す、「法政時計塔校舎存続(保存)運動協議会(長坂伝八代表)」はこのほど、景観法にもとづく景観重要建造物に指定(※)するよう求める要望書と3020人分の署名を川崎市に提出した。
長坂さんは2011年3月まで同校の教師を務めた。同年7月に時計塔校舎を解体する話があると知り、「時計塔を残したい」と今年2月に有志と協力して会の活動をスタートさせた。現在は約40人で街頭署名や交流会を行っている。長坂さんは「時計塔校舎は地域のシンボルとしての歴史的・文化的建造物。壊すのではなく存続させ、後世に遺すべき」と話している。
法政二中・高の時計塔校舎は1936年に建設された。同校では今年5月、2016年4月の男女共学化にともない、校舎を全面改築することを発表。時計塔は老朽化の進行と生徒の安全を守る観点から解体し、新時計塔校舎を建設する方向で検討を進めている。
川崎市では景観重要建造物に指定された前例はない。市景観・まちづくり支援課では「指定には学校の意見を聞くことが必要で、その意見が一番重要となる。今は所有者である法政大学に建物の概要や状況を聞いている段階。その上で指定するかどうかの判断をする」と話している。
なお、同校では「老朽化が進んており、生徒の安全を第一に考える観点から存続を断念した。(存続の動きについては)特に話すことはない」としている。
また、同校生徒の通学路となっている法政通り商店街では「建設からかなり経っているので、安全面を考えたら解体は反対できない。新しい時計塔ができると聞いているし、避難場所や防災拠点になってくれれば」と新校舎に期待を寄せる。
※「景観重要建造物の指定の方針」…地域の自然や歴史、文化等からみて、建造物の外観が景観上の特徴を有し、市民に親しまれている建造物や産業道路など、市の歴史等を語る上で重要であり、道路その他の公共の場所から誰もが容易に眺めることができる建造物について、所有者の意見を聴いた上で景観重要建造物として指定するとしている。
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