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中原区版 公開:2013年5月10日 エリアトップへ

「看護の日」インタビュー 「人材確保と育成両輪で」 市看護協会会長、活動語る

公開:2013年5月10日

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インタビューに応じる手島会長(右)と堤常務理事(左)
インタビューに応じる手島会長(右)と堤常務理事(左)

 「看護の日」(5月12日)に際し、本紙では公益社団法人川崎市看護協会の手島好子会長と堤郁子常務理事にインタビューを行った。看護師不足解消への取り組みや、課題などについて語ってもらった。

 ――5月12日は「看護の日」です。超高齢社会や在宅医療の推進などで看護職に対するニーズは高まる一方、就労問題や離職率の問題など、人材不足は全国的に深刻な問題となっています。川崎市看護協会としてこのような問題にどう向き合っていこうとお考えですか?

 「川崎市看護協会は公益社団法人日本看護協会を大本とし、また同神奈川県看護協会の川崎支部としての役割を担い、様々な取り組みを行ってきました。1996年に保健師、助産師、看護師、准看護師の職能団体として社団法人を取得し、昨年4月には公益社団法人として新たな船出をいたしました。主な取り組みといたしましては、看護の資格を持つ人への支援や、一般の方から看護職へのご理解をいただくためのPR活動などがあります。特に昨今は看護師の人材不足が全国的に問題となっておりますので、人材確保のための取り組みは喫緊かつ重要な問題として様々な取り組みを行っています」

 ――具体的には?

 「2年ごとに厚労省が実施している就業者数の調査(2010年)では、神奈川県の人口10万人に対する保健師は21・0人と全国平均の35・1人をはるかに下回り、ワースト1となっています。

”潜在看護師”の掘り起こしもカギ

 さらに私どもの算出によると川崎市は20・1人と低い数値です。同じく助産師は神奈川県が21・4人(全国平均23・2人)、川崎市は22・7人。看護師は神奈川県で569・1人(全国平均744・6人)、川崎市で544・5人、准看護師は神奈川県で125・3人(全国平均286・3人)、川崎市で103・3人となっています。都市部の中でも特に低い数値と言えます。

 こうした人材不足を解消する手立てとして重要なのは現在看護職に就いている人材を”辞めさせない”ことと、これから看護職に就く”人材の育成”を着実に進めるダブルアプローチが必要です。まず”辞めさせない”=離職率を下げる取り組みについては市内にある約40の病院の看護部長会と連携し、看護職に就いたばかりの新人に対する独自の研修会を昨年より始めています。現在、めまぐるしく変化する看護の現場に対応すべく、看護教育の現場では実習に割く時間がどんどん減っています。実習が充分でないことが新人看護師たちの不安を助長しているとの現場の声を受け、技術面のフォローを重点に置いた独自の研修会を実施したところとても好評でした。今年は更に充実を図っていくべく現在部長会の皆さんとカリキュラムを練っています。未来の看護職を育成する取り組みについては、市内の中学校での職業体験フェスタへの参加や、高校生への進路相談などを行っています。これに加え、一度職場を離れたいわゆる”潜在看護師”の掘り起こしも並行して行う必要があります。各種講座を設けるなどして現場復帰を促す取り組みを行っています」

 ――在宅看護の分野の人材確保に関してはいかがでしょうか?

 「はい。人材確保を考える上で、近年そのニーズが高まっている在宅看護は欠かせない項目です。訪問看護師不足は更に深刻です。私どもではこれまで県看護協会と連動して長期養成講座を行ってきましたが、今年よりこれを短期に切り替え、気軽に参加していただけるよう独自の講習会を実施していきます。これが好評をいただき、今年は定員の3倍を超える応募があり、市外からも参加したいとのお問い合わせをいただいております。今後ますます在宅のニーズは高まっていくと考えられるため、より具体的で現場に即した講習内容にしていく必要があります。看護の現場は常に動いています。その変化に即座に対応していけるよう、市医師会など関係機関との連携を強化していきたいです」

 ――人材確保に対する独自の取り組みが始まっているのですね。

 「こうした取り組みも様々な医療機関や行政の協力をいただき何とか実施に至っている状況です。看護を取り巻く問題に関してはもっともっと一般の方も含めた多くの方にご理解をいただくことが重要と考えます。5月18日には”看護週間”にちなみ、川崎地下街アゼリア(川崎区)で『看護フェスタinかわさき2013』(午前10時半〜午後3時半)を実施します。まちの保健室と題し様々な測定ブースが設置されるほか、看護を身近に感じられる催しを予定しておりますのでぜひご参加ください」

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