「多くの女性の力になりたい」―。川崎市男女共同参画センター(すくらむ21)はこのほど、市民有志らと協力し、女性ならではの視点を生かした防災冊子2種類を作成した。市民の自助力向上を目指して広く配布するほか、同冊子はウェブサイトからもダウンロードできる。
制作したのは「ひとり暮らしの女性のための防災BOOK」と「女性の視点で作った防災手帖 シニア版」の2種類。すくらむ21によると、一般的な防災冊子では扱いが少ないという、単身生活の女性のための防災に着目した。
「〜防災BOOK」は、生理用品や携帯用ビデなど、女性に役立つグッズを詳細に掲載したA5版。また、「身だしなみを整える感覚でファッションにも防災の視点を」と、災害時でも歩きやすい靴や、防寒対策のための羽織物など、防災効果が高い服装もイラスト入りで紹介している。
「〜シニア版」はA4版で、基本的に一人暮らしのシニア女性の視点で制作。大きな文字やイラストを多用し、高齢者が読みやすいよう工夫した。
いずれも全20頁。地震発生時の対応策、川崎市防災マップや災害用伝言ダイヤルの紹介、防災グッズのリストなど災害に備える様々な情報を網羅している。
制作の背景にあるのは、被災時における女性ならではの悩みだ。「プライバシーの確保が難しい避難所では、トイレや着替えが困難」「治安が不安定になり、犯罪に巻き込まれる恐れがある」など、多くの不安を抱える女性のために、と同センターは昨年9月「女性の視点でつくるかわさき防災プロジェクト」を結成した。
市内在住の女性4人を中心に毎月会議を開き、自助力向上の具体策などを模索してきた。今年3月22日には被災時のトイレ事情に関する講座を開催。各地から約130人が詰めかけた。
冊子制作は同プロジェクトの一環。両冊子は、すくらむ21のウェブサイト(http://www.scrum21.or.jp/?p=5975)でダウンロードできる。
詳細情報などの問い合わせは、同センター(【電話】044・813・0808)まで。
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