桃並木 存続に黄信号 調査で176本が要延命
二ヶ領用水沿いの花桃の木が危機に瀕している。桃並木を維持管理する市民グループ『二ヶ領用水・中原桃の会(東正則会長)』が調査したところ、現在植えられている花桃の木の約3割が、このまま放置すると伐採しなければならないという。
二ヶ領用水沿いに花桃の木が植えられたのは約30年前。その後、同会が植樹を毎年行い、現在は花桃を中心に桜、梅の木が約600本植えられている。しかし、寿命を迎えた木が目立つようになり、同会では今年9月に木の寿命調査を行った。
今回の調査では竹橋(宮内)から神地橋(小杉十字路そば)までの木の状態を確認。延命が必要な木が176本あることがわかった。さらに、手入れ不要の木でも、このまま放っておくと寿命を迎え、数年で枯れてしまう可能性があることも判明した。
同会は中原道路公園センターと協定を結び、桃並木の維持管理に努めている。しかし、同会によると木の剪定には、1本あたり約8千円の費用がかかるため、ボランティアで活動する同会では、踏み出せないのが現状だ。同会では「財政的に限界にきている。さらに、人手も足りず、会員の高齢化もあり、対応しきれていない」と危機感を募らせる。
一方で、同会はこの結果を市に報告しており、花桃の維持管理の拡充を求めている。市建設緑政局では「要望には応えたいが、現実的には予算を確保しながら対応しなければならない」と話す。
今回の調査結果を受けて同会では「『むかし中原は桃の里』と言われ、桃畑が一面に広がっていた。それを継承する花桃が消えてしまうのは残念。桃並木を残して、後世に伝えることができれば」と話している。
|
|
|
|
|
|
3月29日
3月22日