公益社団法人川崎市医師会(高橋章会長)は7月31日、中原区役所前の暫定駐車場跡地を市から約6億4500万円で購入した。新医師会館の設置を進める計画だ。
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川崎市医師会館は現在川崎区宮前町にあり、市内約1200の会員をまとめる事務局と看護学校が入っているが、建物の老朽化などを理由に移設が検討されていた。
今回、医師会が市から購入した土地は、中原区役所から府中街道を挟んだ向かい側の中原区役所暫定駐車場の跡地で、敷地面積は725平方メートル。
新会館は地上7階建てで、延べ面積は約3300平方メートル。1階は駐車場、2階は中原休日急患診療所、3階は会議室、4階は在宅医トレーニングルームと読影室、5階から7階は事務所となる。また、4階は災害時に災害対策センターとしての機能を持ち、約160人の帰宅困難者の受け入れが出来るようになるという。なお、看護学校は17年3月で閉校となる。
今後の計画は、8月中旬に地盤を調べるボーリング調査、10月に近隣説明会を経て来年3月上旬から着工、2017年6月上旬に供用開始となっている。
市医師会事務局は「川崎市の中心地に移ることで会員の集まりの効率化が図れる。また、災害時の帰宅困難者の受入れができるようになり、より市民に必要とされる施設にしたい」と話している。
中原休日診療所の混雑緩和に期待
新医師会館の2階に入る中原休日診療所は、現在は、中原区役所隣に併設されている。アクセスが良いことから、中原区民以外の高津区や多摩区からの利用者もあり、年末年始には1日に200人を超える患者が訪れることもあったという。診察室が2部屋しかなく、基本は内科と小児科の2人の医師がその患者を全て診ており、長い待ち時間が問題になっていた。さらに待合室も狭く、約40人分の席しかないため、体調が悪い中長時間立ちで待つ患者もいるほどだったという。
新診療所は待合を広くし、約100人分の席を確保、診察室を3部屋用意し、感染症に対応した診察室も設置予定だ。また、モニター番号や電子カルテなどを導入し、待合の流れを改善する策にも着手する予定だという。
市健康福祉局医療政策推進室では「休日診療所の狭さや待ち時間は以前から課題になっていた。医師会が管理運営を行うことで柔軟な対応ができればと期待している。また、災害時の医療拠点があるのは市民にとって安心」と述べている。
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