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中原区版 公開:2016年8月12日 エリアトップへ

産業×福祉=新たな可能性 「ウェルフェアイノベーション」への挑戦

社会

公開:2016年8月12日

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川崎市独自の福祉製品認証制度。これまでに166製品を認証しており、リハビリ用車いすCOGY(写真)のようなヒット商品も生まれている
川崎市独自の福祉製品認証制度。これまでに166製品を認証しており、リハビリ用車いすCOGY(写真)のようなヒット商品も生まれている

 川崎市経済労働局次世代産業推進室が取り組んでいるのが「ウェルフェアイノベーション」。「産業」と「福祉」を融合させることで、川崎ならではの新たな活力と社会的な仕組みを創出することが狙いだ。川崎市が進める3つのイノベーションの取り組みの1つに位置づけられている。

 産業が持つ力で、福祉の分野で抱える課題の解決をめざす。市が担うのは、双方の分野を繋ぐ中継拠点(ハブ機能)。担当者は「福祉課題に先行的に対応できる製品やサービスを創出・活用し、『新たなライフスタイル・ワーキングスタイル』を社会モデルとして実感できるような機会を創出していきたい」としている。

 これまで取り組んできた具体的な成果として「ユニバーサルデザインタクシーによる工場夜景ツアー」がある。外出するのが困難な障害者や高齢者に川崎が誇る観光名所を見てほしい。そこで、車いすのまま乗車できるユニバーサルデザインのタクシー(神奈川県タクシー協会川崎支部)と川崎工場夜景(川崎市観光協会)を結びつけた。

 「障害がある方の『できない』を『できる』へと変えていけるようなことを増やしていきたい。そして、障害のある方も混ざり合った社会をつくっていきたい」と担当者は熱を込める。

 また、今年度本格的に始動した「地域包括ケアシステム」の推進に伴う在宅ケアモデルの構築の一端も担う。ベンチャー企業が手掛ける「高齢者などの尿の排泄のタイミングを予知する装置」の実証実験を8月下旬からスタートさせる。「地域包括ケアシステムを推進するにあたって、新しい製品・技術を活用することで、本人の自立や介護の負担の軽減にもつながるはず」と期待を寄せる。

川崎モデルの福祉製品

 ウェルフェアイノベーションの取り組みの大きな柱として「かわさき基準(KIS)」を活用した福祉製品の認証・普及事業もある。

 これは川崎市独自の基準で2008年にスタート。「全国初の取り組みで手探り状態だった」と担当者が語るように、今でこそ浸透してきた福祉分野の産業だが、当時としては斬新な取り組みだったようだ。

 製品を利用する当事者の目線が評価・意見として反映されるのが「かわさき基準」の特長。厳しい審査で申請者の半数ほどが落選となるという。製品を「製造する側」と「利用する側」のマッチングの役割も果たしているといえるだろう。

 最近の事例を紹介すると、足の不自由な人が自分の足でこぎ、自分の足で動かしているという感覚を取り戻すことができるリハビリ用の車いす「COGY」=写真=や耳が聞こえにくい人をサポートする対話支援システム「comuoon」がある。これまでに166製品を認証した。

 現在、今年度の認証製品を募集しており、地域包括ケアの推進や2020東京オリンピック・パラリンピックに向けた連携も期待される。

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