市政レポートNo.84 努力が報われる奨学金制度の充実を! 川崎市議会議員 おしもとよしじ
昨年12月の議会において、川崎市高等学校奨学金支給条例の一部が改正され、新たに高等専門学校3年生までと専修学校の高等課程の生徒に対しても奨学金の支給対象者が拡大されました。本市の奨学金制度は、意欲や能力があるにもかかわらず経済的理由により進学を諦めるといった事態を避けるために設けられたもので、近年、その制度の周知や困窮家庭の増加などにより、応募者が急増しています。
そして、昨年度、申請数が予算額を上回る事態となり、申請基準と採用基準の乖離が生じ、全履修科目の評定結果平均値3・5以上という申請基準に達しているにもかかわらず支給されなかった生徒(以下、基準内不支給者)が181名も発生。さらに、今年度も同額の予算しか計上されなかった為、基準内不支給者は、なんと251名にまで増加する結果となってしまいました。申請数の増加が想定されながら予算を増額せず、対策を講じることなく不支給の生徒をそのままにしたことは、誠に遺憾であり、就学困難な生徒救済の観点からも本市の対応に問題があったと指摘せざるをえません。我が会派は、前述のように、支給対象者の拡大も踏まえた上で、来年度予算への反映及び制度改善策の検討を促して参りました。
平成29年度予算に一部反映へ
今年度の基準内不支給者251名に対する予算不足額は、約1240万円でした。先日より開会する予算議会で示された奨学金事業費は、その額に等しい1266万円余の増額・拡充となり、その主張の一部が反映する形となっています。但し、支給対象者拡大への対応や制度改善策の検討など、それらの対策が不明確で、まだまだ不十分だと考えます。
給付型奨学金は、冒頭述べたように、経済的理由に左右されず、その努力を報い、チャレンジを支援してチャンスを与える重要な制度であるばかりか、進学を後押しすることで、将来的な個人所得の増加やそれに伴った税収の確保、さらに、生産性向上や寄付など社会的な便益をもたらす効果も期待されており、”未来への投資”という側面があります。私達は、追及の手を緩めることなく、要件を満たす申請者全員に奨学金が支給されるよう、これからも議会から様々な支給方法や制度改善策を提言し、その検討を図って参ります。
市議・押本吉司
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3月22日
3月15日