市政レポートNo.85 いわゆる”妊婦歯科健診”実現も…!? 川崎市議会議員 おしもとよしじ
予算議会では、来年度中に開始される「歯科保健事業における新たな健康づくりの取組」について質疑しました。本市では、全ての政令市が取り組むいわゆる”妊婦歯科健診”について未だ実施されておらず、議会側としても、民進・自民・公明各会派の代表者と市歯科医師会で構成される実務者会議を定期的に重ね、私も区内唯一のメンバーとして行政側にその実現を働き掛けて参りました。
この間、実現を求めてきた制度設計は、他都市から遅れをとる”母子保健”としての健診事業でした。しかし当局は、健康意識が高まる妊婦とそのパートナーを対象に歯科健診を含めた総合的な健康づくりの取組みを行い、若い世代への健康づくりの動機付けを図ることを目的とし、具体的に、歯科健診と問診表を用いた個々の食生活・禁煙・運動習慣の改善指導、特定健診やがん検診受診を通じた健康づくりを推進する事業としています。そのため、これまでの母子保健と異なり事業対象者の受益と負担の公平性の観点が生じるとし、他健診事業の負担率も踏まえ、500円の自己負担を設けるとしています。他政令市では母子保健の一環として当然、自己負担を求めていません。若年世代への健康づくりを決して否定しませんが、同事業スキームで自己負担を求めない場合に増加する本市負担額は約173万円余。全会計の歳出合計が1兆4千億を超える本市において、充分に吸収できる額と考えます。
また、同制度では健康づくりのきっかけを与えるに過ぎず、後の具体的な生活習慣改善や他成人検診の受診率向上といった着実な事業効果の発現、そして、その効果測定を可能とする体制構築が不可欠です。今回、事業費に既存の成人検診システムの改修費用が計上されていることから、それら受診履歴との連動性の分析、定期歯科健診及び禁煙外来受診など事業対象者への継続した実態調査を行うべきと提言し、さらに事業効果が検証できる目標値を設けるよう求めました。その結果、これら指摘を踏まえ、当局は成人検診システムのデータ活用や受診者に対する継続的調査により事業効果の検証を行うこと。また受診率等の目標値を設定する旨答弁し、その体制構築が約束されました。
「健康づくりの動機付けを図る」とする本事業ですが、健診を受診して頂けなければ、本末転倒です。市民及び事業者に、より良い制度となるようその検証内容や目標値の達成状況を踏まえ、自己負担の設定など本事業の運用実態を今後も質して参ります。
市議・押本吉司
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4月26日
4月19日