市立今井小学校5年の福本朝陽くん(10)が、先月行われた県山岳連盟主催のクライミング県大会「男子キッズ(14歳以下)・リード」の部門で優勝を決めた。将来の国体候補として育成する強化選手にも選出された。
リードとは、クライミングの壁に打ち込まれた支点に自らロープを掛けながら岩壁を登っていく競技。体力や筋力だけでなく、手足の掛け場や体勢など戦略面も重要となる。国際基準の高さ15メートルの難しい課題だったが、ミスなく完登を果たした。「嬉しかった。昨年のリベンジを果たせて良かった」。
最年少で初挑戦した昨年は失格。その悔しさを忘れないために、ゼッケンを部屋の壁に貼り1年間練習を重ねてきた。今回の優勝で、将来の国体候補として育成するジュニア強化選手にも選ばれた。「目標はジュニア五輪の表彰台。でも今はクライミングできることが幸せ」と目を輝かせる。
「成功するまで継続できる子」
福本くんがクライミングに出会ったのは小学1年の頃。自宅近くにクライミングのジムがオープンし、体験したことがきっかけ。それからは、ジムの定休日を除く週6日通い、今も飽きずに続けている。クライミングジム代表の加藤高士さんは「初めは登るのを怖がっていた普通の子だった。でも、目標を定め成功するまでコツコツと練習を継続できる子は一握り」と称える。そんな息子の姿に両親は、趣味の登山とともにクライミングができる自然の岩がある地を訪れることが週末の楽しみになったという。「普段はシャイな子。でも登れた時はガッツポーズなど感情を出す。本当に好きなんだなって」と母・まさみさん。「大人になったら世界の岩を登ってみたい」。壮大な夢へ一歩一歩、あくなき挑戦は続いていく。
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