中原区内では、今年に入り８月、９月と交通死亡事故が２件連続で発生した。さらに、11月には重傷事故も起きている。無事故で年末年始を迎えるため、本紙では中原警察署の田中武志署長、中原交通安全協会の朝山秀男会長、中原安全運転管理者会（安管）の山口敦男会長に集まってもらい、事故防止への取組みなどについて聞いた。（進行／本紙・吉松英輝）
――区内で交通死亡事故が発生しています。どのように受け止めていますか？
田中…一言でいえば、非常に残念。８月は自動車と自転車、９月は自動車とバイクの事故だった。これ以上は発生させないように、署員一丸となって事故防止に取り組んでいる。今は事故現場を通るたびに「２度と悲惨な事故を起こさないようにします」と手をあわせて誓っている。
朝山…本当に残念な事故が起きてしまった。事故は起こそうと思ってする人はいない。「自分は大丈夫」という気持ちの方が強いのが原因と思う。また、発生した場所の道路構造などを検証して、行政などとも連携しながら再発を防ぎたい。
山口…今回の事故は本当に悲惨な事故だった。現場に行くと「なんでこんな事故が起きたのだろう」と思う。基本的に車の事故は慌てているときに起きる。安管は企業が協力し、交通安全意識を高めようとする団体で、事あるごとに「慌てないで慎重に運転して下さいね」と企業に伝えている。でも、啓発活動は１〜２回やれば理解できるというものでもない。何回も繰り返しやることで、死亡事故は減らすことができる。
――日頃からキャンペーンなどの啓発活動を行っていますが、特に感じることはありますか？
朝山…警察をはじめ、日頃からさまざまな団体が事故を無くすための活動をしている。私が感じるのは、キャンペーンをやると、子どもたちが素直に話を聞いてくれている。これは非常に良いこと。一方で、聞く耳を持たない大人がすごく多い。「言われなくてもわかる」ということだろうけど、実際に事故は起きているし、耳を傾けてほしいね。
田中…大人には子どもの見本になってもらいたいと思う。先日も学校の前の交差点で、子どもが赤信号を待っているのに、その横を大人が無視して横断していたので、声をかけた。我々大人が、子どもに見られているという意識をしっかり持たないといけない。
山口…やはり教育が大事。学校で交通安全教室などもやっているが、子どもの時からしっかりと教育することで、大人になっても交通安全への意識が高くなる。それが地域全体の交通安全にもつながると思う。
――年末年始に向けて、一言お願いします。
田中…年末年始は統計的にも事故が増える。そのため、12月は飲酒運転の根絶対策を強化、20日までは、年末の事故防止運動を行っている。街頭に警察官を立たせ、事故や違反の多い場所を中心に取締りを強化している。また、今の時期は薄暮帯（はくぼたい）（午後４時から７時頃）の事故が増えるので、気をつけてほしい。
朝山…警察が一生懸命やっているので、我々も啓発活動を中心に盛り上げていく。地道な活動だが、交通安全への関心をもっともっと高めていきたい。事故の無い年末にして、区民全員で笑顔の新年を迎えましょう。
山口…安管としては企業を通じて事故防止の啓発を図っていく。今後は警察や行政との連携もより密にして事故を１件でも減らせるように活動していきたい。
――より慌ただしくなる年末年始。一人ひとりが交通安全を意識することが大事。皆様、ありがとうございました。
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