中原区版 掲載号:2018年3月9日号 エリアトップへ

街角の風景を水彩画で描き続け、地元で水彩画展を開催する 熊田 司郎さん 苅宿在住 72歳

掲載号:2018年3月9日号

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物語感じ、街並み描く

 ○…「街角の風景を描くと、その場所へのなじみが生まれ、一員になったような一体感に包まれる」と風景画の魅力を語る。池上本門寺や赤レンガ倉庫など、主に東京から横浜まで東急線沿線で描き続けてきた。そんな「本命」の合間を縫って10年ほど描きためた地元の風景画を今月、元住吉で披露する。「ランドマークがある場所は絵になりやすいけど、近場にも意外に面白いところがある」。いつも目にする何気ない風景を自分の感性で切り取っている。

 ○…これまでも横浜で展覧会を開催したり、苅宿小学校50周年記念ポストカードの絵を描いてきた。中でも、品川区の広報誌で区内風景の連載画を担当したことが活動の原点。「どんな場所でも絵になるものだなと自信がついた」と振り返る。こだわりは風景画に人物を登場させること。「描く場所に人がいると生活感が出てくる。自分の描いた絵の中に小さな物語を感じてほしい」

 ○…東京都出身。子どもの頃から絵を描くことが好きで、学生時代は友達と漫画家を目指した。工業高校を卒業し、金属製品メーカーに就職したが「絵に近いところで仕事をしたい」という強い思いで、23歳のときデザインの専門学校へ。風景画を描き始めたのは45歳。友人の展覧会に足を運んだのがきっかけだ。街並みを描くことに魅了され、印刷会社を58歳で早期退職。他の作家の作品を見て学び、独学で水彩画と向き合っている。「もっと素朴なタッチを」と絵の具を生かした淡い色の表現に、試行錯誤を重ねる日々だ。

 ○…スケッチ活動に没頭する中、3年前に一過性の脳梗塞を発症。治療後は後遺症なく過ごしているが遠出は避けている。「倒れてからは、これが最後の絵になるかもと、一枚に対する思い入れが強くなった」。現在は等々力陸上競技場を題材に創作を進めている。「納得できる絵を描いて発表していきたい。何か感じてもらえる絵を描ければ嬉しい」

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