4月から中原消防団の団長を務める 布施 行雄さん 新城在住 67歳
救命への使命 胸に秘め
○…「必ず来るという大震災に備え、消火と応急手当を一般市民が自らできるように消防団として働きかけていきたい」。入団39年目の今年4月、団長に就任し、団員約200人の舵取り役に。昨年は、日本医科大学の協力を得て救命救急の勉強会を主導するなど、技術向上に意欲的だ。
○…新城にある布施米店の2代目として生まれ、新城小、西中原中と地元育ち。消防団に入ったのは20代半ば。それまでの商店街活動では出会えなかった異業種の人たちと話す機会が増え、人脈が一気に広がった。「より街のことがわかるようになったし、訓練など普段できない経験ができる。地元への愛着も湧いてくる」。そのメリットを感じるからこそ「明るく楽しい消防団」を合言葉に、若者や女性にも気軽に入団してもらいたいと考えている。
○…阪神・淡路大震災の衝撃が今も忘れられない。被災後、現地の交通インフラが復活すると、勉強のため個人的に現場を訪れた。「写真を撮ろうとカメラを向けてもシャッターを切れなかった。涙があふれてしまって…。何もできない自分が申し訳なくてね」と当時を振り返る。「一般市民にも初期消火や応急手当の知識があれば、もっと多くの人を助けられたのかも」。落ち着いた口調と、命を救いたいという気持ちが交差する。
○…ローカル鉄道で旅行するのが好きだった。それでも近頃は緊急出動に備えて遠出や映画、舞台鑑賞を控えている。「緊急事態が発生してすぐに呼ばれるんじゃないかと、どうしても考えちゃってね」と笑顔。近年の課題は、高層ビルが増える武蔵小杉エリアの防災だ。「急速に変化する住宅事情に配慮し、あらゆる事態を想定したい。被害を最小限に食い止めるために」
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4月19日
4月12日