豪雨等による河川の水害対策として、国と自治体が6月から運用を進める「危機管理型水位計」の導入を、川崎市が検討している。国土交通省は自治体と共同で、増水状況をウェブサイトで公開するシステムを運用。市は従来の水位計による情報配信のシステムとの連携を模索していく方針だ。
水害避難に一役
市が管理する二ヶ領本川や五反田川など5河川では、6カ所で従来型水位計が稼働。県が管理する河川の水位計を含め、11カ所の観測データを市の防災システムに集積し、市民に発信している。市建設緑政局は「川崎の河川は降雨時の水位上昇が速く、場所により特性も異なる。これらの情報をいかに市民に伝え、避難に活用してもらうかが重要」とし、既存の情報配信を継続の上、新システム導入を検討する考えだ。
今回の新型水位計を活用した新システムでは、国や都道府県が管理する河川のデータを一括処理。専用サイト「川の水位情報」(https://k.river.go.jp)で公開されている。国交省によると、多摩川河口から約64キロの管理区域で、新型水位計を今年度中に45カ所に増やす計画だという。
新設地点は氾濫が発生しやすい場所や、行政施設や病院に浸水被害が及ぶ可能性などを考慮して選定。京浜河川事務所(横浜市鶴見区)担当者は「居住地から最寄りの水位の危険度がリアルタイムで分かれば、避難のタイミングの判断にも役立つ」と期待を込める。
新型水位計は国や県、市など各管理者が収集し処理していたデータを、携帯電話回線を通じて一括統合。システム運用、通信費が従来比で平均約18分の1に削減されるという。全国で新型水位計を運用する一般財団法人河川情報センターによると、すでに18都府県で186基が稼働しており、国交省は今年度中に全国の管理区域内2957カ所に設置を計画している。
近年の豪雨災害を踏まえ、国交省は都道府県と連携して中小河川の緊急点検を全国で実施。結果に基づき、2020年度までに県や市の管理区域の約5000河川、5800カ所に新型水位計を設置する方針を示す。
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