カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に関する政府による自治体向けの調査で、「申請を検討中」と回答した川崎市。福田紀彦市長は「首都圏の中で羽田の隣接地域としては、IRを検討しないという選択肢はない」との見解を示している。
政令市や都道府県に対し、政府がこのほど実施したIR誘致についての意向調査では、申請を【1】行う予定【2】検討中【3】未定【4】行わない――の選択肢があったとされる。
市「本格始動せず」
川崎市はIRについて専門部署を設けて検討した経緯はなく、地元経済界との意見交換も実施していない。部署等の設置は国の方向、他都市の動向も注視しながらの判断になるとしている。
国内のIRに関する動きを踏まえ、福田市長は11月6日の会見で「検討すると答えておいた方が、しっかりと国の情報を的確に迅速に取れるのではないかと考えた」と説明。「ゼロベースにいろいろな意見交換をしたい」とし、誘致の本格化が前提ではない考えを強調した。
さらに、IRの位置づけについて「カジノはIRの中のごく一部の要素で、にぎわいなどの手段の一つ」と定義。市の財政が厳しい中、あらゆる手段を講じる必要性に言及した。川崎市が首都圏の羽田空港に隣接している点に対し「一般論として地の利はいい」との見方も示している。
カジノについては、新たな収益源としての将来性などが今後議論される可能性もある一方、ギャンブル依存症対策や治安維持といった市民生活に深く関わる課題は山積している。市の考え方をめぐり、11月26日に開会する川崎市議会定例会でも、各会派からの代表質問の焦点になりそうだ。
IR実施法案「特定複合観光施設区域整備法」は7月20日、参議院本会議で可決され成立。全国でIR施設を整備できる区域数の上限を現状3カ所としている。誘致申請に関する今回の調査で、神奈川県は「行わない」、川崎市と横浜市が「検討中」と回答した。
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