大正、昭和、平成を歩み、合わせて206歳になる夫婦が中原区にいる。内田文三郎さん・八重子さん夫妻だ。文三郎さんは大正元年11月23日生まれの106歳、八重子さんは同8年1月3日生まれの100歳。昨年末まで木月大町の自宅で過ごしていたが、家族に身を案じられ今年から新城の老人ホームに移り、のんびりした生活を送っている。
これまで大きな病気はなく健康診断でも問題ないという2人。そんな健康長寿の秘訣は、毎朝欠かさない納豆やビタミン豊富なスムージーなどの食習慣だ。長男の隆さん(69)は「母は(老人ホームに来るまでは)ずっと台所に立って、父の食事も作っていましたね」と話す。また、3年前まで恒例行事だったのが、ひ孫までの4世代・13人家族での温泉旅行。「年に1回は必ず計画していたので、その楽しみのために毎日元気で過ごせていたのだと思う」と隆さん。一方、口げんかも日常だったといい、「言いたいことを言い合っていたので、ストレスを発散できていたのかも」とは隆さんの分析だ。
実は八重子さんの戸籍上の本名は「春子」。生まれてまもなく生死をさまようほどの病気が続いたため、悩んだ母が「八重子」に改名したという。それからは学校でも家族からも八重子と呼ばれてきた。
結婚生活を振り返り、八重子さんが今も忘れられないのは戦時中の頃。結婚してすぐに、文三郎さんが出征。祈るような日々を送ったが、文三郎さんは無事に帰還、その後2人の子宝にも恵まれた。「(長生きできているのは)あの時に生きて帰ってきてくれたから」と八重子さんは回想する。
今も、老人ホームのリビングで日中を一緒に過ごしているという2人。「ずっと健康で長生きしてほしい」――。そんな家族の願いを背に、平成から新時代へともに歩む。
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