市政報告vol.55 12時間丸子排水ゲート閉鎖できずの真相は!? 川崎市議会議員 末永 直
昨年の川崎市10大ニュース１位は「台風19号により川崎市に大きな被害」５３３７票でした。最も中原区が甚大な浸水被害を受けました。
上丸子山王町の排水樋管の水門閉鎖を市は10月12日22時52分に指示。完全に閉まったのが翌13日10時50分。12時間も経過しました。何故かは明らかにされていません。
さて、昭和57年にも台風10号で大被害を受けました。当時は多摩川の逆流防止の水門閉鎖をしましたが、これに関する自民党代表質問に対し、下水道局長（当時）は「８月２日当日、午前３時頃、多摩川の水位が上昇し、警戒水位に近づき、多摩川系の各排水樋管に職員を配置し、警戒にあたったが、４時20分頃より、水の上昇が著しく、異常高水位に達した。逆流の危険が生じたので、４時30分に水門を閉鎖した」と答弁。閉鎖判断後、10分で閉鎖した事実が示されています。また、自民党の金子順一郎議員によると、逆流防止のため諏訪樋管水門が閉められ、内水氾濫の水害が起こったとの事実も残されていました。
本題の山王排水樋管水門が12時間も閉鎖できなかったのは整備不良等が原因だったのではとの声が寄せられましたので、私は12月16日の一般質問で質しました。
上下水道事業管理者は「ゲートの製造メーカーによる動作確認を10月24日に行い、当日の水位状況を再現した設計上の動作確認を11月20日に行い、いずれも正常に作動することが確認された」「ゲートに流木などの異物が挟まることにより操作ができなくなるとの見解も得た」とのことで、単なる机上での打ち合わせで動作確認できるのかとの疑問をぶつけると「計算により手動による操作は可能だった」との答弁でした。
ゲートの点検整備に関しては、「専門業者による点検整備を年１回。今年は３月11日に行った」「中部下水道事務所の職員による動作点検を年2回実施し、今年は４月11日と６月19日に行った」とし、報告書も保管しているとのこと。併せて「上陸前の10月10日に、中部下水道事務所の職員が動作点検を実施し、正常に動作することを確認した」との答弁でした。
私は「水門の開閉を判断する責任者は？閉まるまでの12時間、職員が入れ替わり立ち代わり手動で操作していたのか、閉まらないと判断してその場から去ったのか。誰が判断したのか」等、問いました。上下水道事業管理者は「中部下水道事務所長が判断した」「流木などの異物がゲートに挟まったことなどにより操作ができない状態が続き、７回の作業で完全に閉鎖できた」「現地にいる操作員と中部下水道事務所の間で連絡を取り合い、現場での対応を図った」との答弁でしたが、全然納得いかなかった私は「担当職員はゲート閉鎖という最も最優先すべき仕事を、現場放棄して他の仕事をしていたのか、事務所長の指示だったのか」と質問し、上下水道事業管理者は「３名の職員がゲート閉鎖の合間に周辺施設の安全対策やパトロールを行っていた」とし、それは「上司の判断」と答弁。私が「上司とは誰か」と二度訊くと「中部下水道事務所の課長係長」との答弁を得ました。
これ以上12時間に何があったのか真相は闇の中ですが、被害に遭われた区民の立場を慮れば、やはり市は説明責任を果たすべきです。本年も追及して参ります。
中原区版の意見広告・議会報告最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
|
