年間の救急出動件数が11年連続で過去最多を記録している川崎市は、救急需要に応えるため今月1日から救急隊を増隊。新体制で始動したものの、新型コロナウイルス感染症の影響で出動件数は減少傾向にある。
昨年1月から3月までの救急出動件数は、前年比582件増で1万9089件(速報値)。一方、今年は昨年比で約1300件減少し、同期間の件数は1万8千件を切った。4月に入ってからも出動は少なく、昨年との差は1400件以上に広がっているという(4月5日時点)。
昨年の救急搬送理由は急病が7割を占め、次いで一般負傷、転院搬送、交通事故と続く。市消防局の担当者は「不要不急の外出自粛で社会活動自体が制限され、通報が少なくなっていると考えられる」と分析。「多世代がマスク着用など感染予防対策を普段以上に行い、健康意識を高く持ち続けていることも影響しているのでは」と話す。
高齢化や人口増で救急需要が高まる中、市は救急車の適正利用の呼びかけや、救急隊の現場到着時間短縮に取り組んできた。今月、多摩区に救急車を1台増やし、救急隊は合計29隊に。担当者は「新型コロナの影響で今後も出動が減り続けると思うが、事態が収束しない限り、出動減少は決して良いこととは言えない」と懸念を示す。
感染症相談は計9千件近く
新型コロナに関する市の窓口は、症状がある際に連絡を受ける帰国者・接触者相談センター(2月10日開設)と、一般的な相談に応えるコールセンター(2月20日開設)。4月6日正午までに、相談センターには5897件、コールセンターには2971件の相談があったという。「幼児の発症例が出ると子どもに対する相談が来るなど、全国の新たな話題に関連して川崎市ではどうなのかといった相談が増える」と市健康福祉局。担当者は「集団発生を防ぐため、国が示すように『3つの密』を避けた行動をしてほしい」と呼びかける。
川崎市では、3月12日に最初の感染症患者が発生。以降、患者数は3月末までに22人、4月6日時点で62人に達した。
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