今年度から川崎市中原老人福祉センターの所長に就任した 岩佐 弘司さん 上小田中在住 60歳
経験糧に、関係紡ぐ
○…新型コロナによる休館が続き、6月になって一部再開した。就任3カ月にしてようやく目にする利用者が談笑する姿や笑い声。「地域の高齢者の憩いの場。この光景が見れてうれしい」とほっと胸をなでおろす。慎重に進めることに変わりはないが、できることを模索。「少しずつ再出発していくので、また足を運んでほしい」と心待ちにする。
○…横浜市で育ち、大学卒業後に川崎市の職員に。川崎区の田島支所でケースワーカーとして社会人生活をスタートさせ、児童福祉や、麻生区・宮前区の地域活動支援担当として町内会と連携したまちづくりに取り組んだ。定年前4年間は古巣・田島で支所長として勤務。夏祭りや敬老会などに顔を出し、地域の人と親睦を深めた。長年、心掛けてきたことは「任された仕事を淡々とやり遂げること」。今の経験が必ず次につながるという信念からだ。
○…人生のバイブルは宮脇俊三の『時刻表2万キロ』。国鉄で行く先々を記録した旅行記に魅了され、学生時代は鉄道を乗り継いで日本各地を旅して過ごした。心に残るのは、5回も乗った九州の肥薩線。「車窓には霧島連峰。ループ線やスイッチバックを楽しめる面白い路線なんだ」と目を輝かせる。結婚を機に中原区に移り住み30年以上。区外勤務が長かったが、今後は少しずつ地元の魅力を見つける。
○…「心地よい風が抜ける新緑に囲まれた場所。ここで過ごすことで健康寿命を延ばしてほしい」。地域との交流が活発で、福祉の要素も強い職場。経験を生かし、何度でも通いたくなるような、職員と利用者の距離が近い施設運営を目指す。理想は「互いを名前で呼び合い、気軽に話せる関係」。積極的に心を通わせていく。
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4月19日
4月12日