中原消防団(布施行雄団長)の中原分団小杉班に、タワーマンションに住む男性3人が新たに入団した。いずれも志願によるもので、定員割れが続く消防団の関係者からは喜びと期待の声があがっている。
入団したのは、谷口慶さん(40)、山下雄大さん(34)、鴨川航太郎さん(20)。3人は面識がなく、住むマンションも異なるが、昨秋から今春にかけて消防団員となった。谷口さんは結婚を機に町田市から中原区に移住。仕事に子育ても重なり妻から心配されたというが、「家族で暮らしていく地域のため」と昨年10月に入団した。直後に襲った台風19号。「手探り状態だったが出来る作業をした」と振り返る。
山下さんは、その台風19号で浸水被害を受けた地元を目の当たりにし、入団を決断した。普段は県立川崎高校の教員として、防災教育を生徒に指導する立場。「防災は人と人のつながりが重要だと思う。自ら学ぶことで生徒に還元できる」という思いも理由の一つだ。
鴨川さんは、国士舘大学の2年生。将来の夢は消防士で、救急救命士の資格取得もめざす。「学生の頃から経験を積んでおきたかった。いずれは地元のために貢献したい」と決意。若い世代にも消防団の必要性を訴えていきたい考えもある。
依然続く「定員割れ」
消防団の任務は、消火活動の後方支援、被災者救助、地域の警備、救急講習の指導など。ハードな印象からか勧誘は容易でなく、家族や知人を頼るケースが多いという。そんな中、志願での若手の入団に、中原分団副分団長の西村和也さん(59)は「頼もしい限り。新旧住民の連携を強めるためにも尽力してほしい」と期待を込める。
一方で、市内の消防団員は定員割れが続く。中原区は定員249人に対し217人(8月1日時点)で、充足率は9割に満たない。今年新設された、役割を限定する「機能別団員制度」に7人が入団したものの、状況の改善には至っていない。
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