市政レポートVol.15 学校における聴覚障害児支援 川崎市議会議員 吉沢 直美
今年最後の定例会が12月17日、閉会しました。これまでの定例会で取り上げてきた質問について報告致します。
■9月定例会
通常学級で学習する難聴児は、補聴器に加え、話者の口形等を頼りにしてことばを読み取りますが、コロナ禍では、マスク着用によりそれができません。そうすると、学校で先生の話していることが分からず、他の子どもの行動を見て動く…。そのため、行動がワンテンポ遅れてしまいます。他の子どもと同じタイミングで行動ができなく、学習、生活に遅れが生じ、不安になり、勉強も友達関係も上手くいかない。更には学校に行くのが辛くなり、不登校に発展する恐れもあります。
そこで、教育委員会に学校での支援について質問したところ、「学習指導の方法を工夫し、必要な情報を十分に伝える工夫をするよう各学校に指導していく」との答弁でした。学校生活において、子どもを誰一人、不安な気持ちにさせることのないよう、各学校への指導を早急にしっかりしていただくことを強く要望いたしました。
■補聴援助システム
補聴器の機能をより高める「補聴援助システム」は、騒がしい場所でも集中できる「聞こえの環境づくり」を強力にサポートしてくれます。学校では合理的配慮として貸与も可能ですが、購入となると価格は20〜30万円と高額です。身体障害者手帳の交付を受けている障害児は、購入にあたり補助が受けられますが、身体障害者手帳に該当しない軽度・中等度難聴児は補助の対象となりません。しかし、助成を行っている自治体もある事から、助成について質問したところ、「他都市の状況や国の取組みなどを踏まえて調査・検証して参ります」とのことでした。今後も尽力して参ります。
■12月定例会
9月の答弁以降、教育委員会はこれまでどのような指導を各学校に行ってきたのか、合理的配慮の対応も含め質問しました。
実際に学校で行ってきた支援は、座席位置を前方にする、教師のフェイスシールドの試行、発言内容等を視覚的に分かるよう黒板に表記するなどでした。また、次年度に向けて、机やいすの脚にはめる防音キャップの購入の検討や、補聴援助システムの導入の相談等を各学校で行っているとのことです。
情報の障壁を取り除き、全ての子どもが安心して学校生活を送れるよう、困っている方の立場に立ち、寄り添いながら支援を的確にして頂くことを本市にお願いしました。
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4月19日
4月12日