地域活性化や公共交通機能の補完などの課題解決に向け、川崎市が2019年から2エリアで取り組んできた「シェアサイクル実証実験」。市は先月16日、武蔵小杉駅周辺を追加し実験を継続すると発表した。これに伴い、実験期間は予定していた3月末から12月末まで延長する。
市が取り組むシェアサイクルは、専用ポート(駐輪場)で自転車を借り、別のポートで自由に返却できるサービス。電動アシスト付きで、スマートフォンで決済できる。現在は登戸・向ヶ丘遊園駅周辺(多摩区)と殿町・大師河原(川崎区)で実施しており、昨年は最大で月間2363人が利用した。利用者へのアンケートでは約6割がサービスに満足と回答。9割以上から「今後も利用したい」との声が聞かれた。市は、市全体での効果や採算性を検証するため実証実験の拡大を決めた。
追加されるのは武蔵小杉駅周辺のほか、川崎駅や鷺沼・宮前平駅周辺などの6エリア。駅から約1・5キロ圏内を対象に、区役所や公園、民間施設などへの設置を検討している。今後、各エリアを調査して駐輪場の場所や台数を決定し、4月初旬に設置完了を予定する。市の担当者は「武蔵小杉駅周辺はすでに民間のシェアサイクルが設置されている箇所も多いので、それを補完する形で設置する。区役所周辺や等々力緑地などを検討中」と話す。
放置自転車対策として武蔵小杉駅周辺での啓発活動などに取り組む、自転車と共生するまちづくり委員会の川連昌久会長は「(空き地が少ない中原区で)駐輪場の場所を駅周辺に取れるのかが気になるが、需要は幅広い世代にあると思う。新たな手法で放置自転車が減ることに期待」と話す。
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