タイ出身で、外国人市民として機能別消防団員になった パースポング マールットさん 上小田中在住 28歳
「災害に負けない」強い意志
○…念願叶い、中原消防団の機能別団員に任命された。大規模災害時の後方支援活動などを担う予定だ。ようやく緊急事態宣言が明け、訓練が開催されるのを心待ちにしている。地震など災害が少ない母国タイでは、ボランティアで取り組む日本の消防団のような組織はないという。「すごいことです。偉いと思う」
○…日本で働くため、3年前に来日。暮らしの中で地震や台風に恐怖を感じていた。区役所配布の資料で防災について学び、項目に沿って防災袋も準備したが不安は募った。そんな中、見かけた操法大会のポスター。青い制服が気になり、等々力緑地へ見学に。消防団の存在を知り、消火などさまざまな訓練を見て感銘を受けた。「自分も訓練したい、 入りたいと思った」。メールで消防署に意志を伝えたところ、機能別団員なら外国籍でもなれることを知り、決断した。
○…故郷のタイ国ノンタブリー県は、首都に隣接する都市でもあり「なんとなく川崎と似ている」という。日本の良さは「ライフラインがしっかりしている。災害時の対応が良いところ」と感じている。小学生の頃からゲーム好きで、現在は東京でプログラマーとしてシステム開発に携わる。仕事では英語しか使わないため、今も積極的に日本語を勉強中だ。その熱心さは折り紙付きで先月、市国際交流センターで行われた日本語スピーチコンテストに出場。「災害に負けないように」をテーマに消防団への想いを語り最優秀賞に輝いた。
○…消防団を志望した時は、防災や避難について学びたい気持ちが強かったが、令和元年東日本台風で被災した外国人仲間の話を聞き考えが変化した。「避難所で自分の語学は役に立つはず。災害時に皆を助けたい」
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4月26日
4月19日