西中原中3年の福本朝陽君が、4月10日に秦野市で行われたスポーツクライミング県代表選考会「エキスパート男子・リード競技」で優勝した。今秋、三重県で開催される国体に向けた県2名の代表選手に内定し、5月11日の選考会議で正式に選出される見通し。
中学3年から成人までが出場するエキスパート部門に初めて挑んだ福本君。高さ15メートルの壁を、出場した12選手の中で唯一登り切った。「正直不安があったけど、スピードよりも正確性重視の自分らしさを発揮できた。結果を出せてすごく嬉しい」と頬を緩めた。
けが乗り越え
気掛かりだったのは、今年1月に左足首の靱帯を損傷した怪我の影響。練習中に壁から落下し、医師からは全治1カ月の診断を受けた。それでもじっとしていられず、ギプスをしながら右足だけを使って練習に励んだ。昨年のコロナ禍も、練習場が休業中はクライミング仲間とオンラインで体幹トレーニングに取り組んだという。「練習を中断したら身体の感覚が鈍る気がして。どんな時でもやれることをやろうと思って」と福本君。
6月に栃木県で行われる関東ブロック大会で上位に入ると、9月から始まる三重国体への出場権を得る。福本君は「壁の競技難易度も上がってくる。課題を克服して臨みたい」と意気込む。
新たな目標掲げ
世界各地の岩を登るクライマーをめざす福本君が掲げる新たな目標は、地質学の習得。「巨大な一枚岩がどのように誕生し、なぜそこに存在するのかを知りたい」。今はそのための受験勉強にも力を注ぐ。「録画したテレビ番組を全く見られていません」とにこやかに笑う中学生が、壮大な夢へと歩みを進める。
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